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「長嶋監督も原監督も“野球はピッチャー”とわかっているけど…」元巨人ヘッドコーチが明かした“長嶋茂雄と原辰徳の共通点”「ジレンマは絶対あった」
posted2025/06/07 11:00

長嶋茂雄と原辰徳の野球観、その共通点とは
text by

NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph by
Hideki Sugiyama
「……郁、キャッチャーを3人から2人にするのは、財布に2万円だけ入れて外出するぐらい心細いんだよ」
この言葉に、当時のヘッドコーチ・岡崎郁はすかさず反論した。
「今日、僕の財布には1万2000円しか入っていません。普通の人は3万も4万も入れてないと思います。財布に2万円入っていたら十分ですよ」
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原は目を見開いて「本当に?」と驚いた顔をした。さらにもう一度、「本当に?」と確認したという。
原辰徳と岡崎ヘッドの攻防
このやりとりは、2011年、ベンチ入りさせる捕手を3人にするか、2人にするかをめぐる議論だった。岡崎が「キャッチャーを2人制にしましょう。3人目の出番はないですから」と提案すると、原の脳裏には09年に木村拓也が急遽捕手を務めた苦い記憶が蘇った。捕手2人制を原が“財布に2万円”とたとえたのだ。
「原さんって、16歳の時から甲子園のスーパースターで、爽やかなイメージを持たれていた。変なことも言えないし、周りも突っ込みづらい。だから、ときどき天然が出るんです」と岡崎は振り返る。「監督になってから長嶋さんに似てきたとよく言われましたけど、ミスターは自分を演出している部分もあると思う。原さんのほうが天然ですよ」。
練習場所をめぐる驚きもあった。岡崎が運営部長から聞いた話によれば、東京ドームでの練習には1日800万円、試合では4000万円もの費用がかかっていた。岡崎は「原監督も、800万円掛かるなんて知らなかったと思いますよ」と語る。
巨人の指揮官として通算17年間で9回の優勝を果たした原辰徳。岡崎は長嶋茂雄と原の野球観についても語る。「長嶋監督も原監督も『野球はピッチャー』とわかっているけど、打つほうでファンをワクワクさせたい。そういうジレンマは絶対あったと思います」。
この後、「伝説のバット投げ」の舞台裏や、原監督との緊張関係から和解に至るまでの生々しいエピソードが続く——本編ではさらに深く描かれている。
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この文章の本編は、以下のリンクからお読みいただけます。

