「自分はアンダードッグ」Bリーグ“3度目制覇”の宇都宮　田臥勇太でも、竹内公輔でもなく…唯一“全ての決勝で先発”「35歳の超苦労人」の正体とは？ 

　辻は今季、群馬クレインサンダーズのキャプテンとして、チームを初めてCSに導いた。クォーターファイナルで敗れ、ファイナルは解説席から見守っていた。軽快なトークと誰からも愛されるキャラで、試合に出場しなくとも大舞台から声がかかる。

　辻が太陽であれば、遠藤は月――にも満たないような存在だったかもしれない。

　ただ、そんな存在でも輝くことはできる。Bリーグで最多3回目の優勝を達成した瞬間から、喜びがこみ上げてきた。

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「優勝した瞬間から喜びをめちゃくちゃ噛みしめています。周りの人からも言われますけど、歴史に残るような試合で勝ち切れたというのが、本当に嬉しすぎて」

ブレックスの「いぶし銀」遠藤　©TOCHIGI BREX INC.

　一進一退の攻防、相次ぐ逆転劇が繰り広げられた今回のファイナルは、1勝1敗で最終のGAME3を迎えた。

　試合時間残り0.6秒、73－70でブレックスがリードしている場面で、琉球ゴールデンキングスのケヴェ・アルマは3Pシュートを狙ってフリースローを獲得。1本目を決めて、73－71とした。

　そして2本目。シュートはリング上を跳ねて、外れた。

「ファンの力で外させてくれたんだ」

　ブレックスファンの熱烈なブーイングを聞きながら遠藤は確信した。GAME2が終わったあと、SNSをチェックしていた妻から伝えられていたからだ。

「ファンの人たちがすごく反省してくれているみたい。『キングスのファンの応援に負けていたんじゃないか』って声がSNS上にあふれているよ」

最後まで結果が分からなかったファイナル

　そんなファンがいることを遠藤は誇りに思っている。

「後半は相手チームのファンがいる方に攻めるので。最後のフリースローの場面では、ブレックスファンのみなさんのブーイングが相手の邪魔になったと思うんです。GAME2で負けたあと、『自分たちが、なんとかしなきゃ』とファンのみなさんが思ってくれて。そういう想いが、あのブーイングに出ていましたよね」

　ただ、CSで死闘を勝ち抜いてきたキングスはそれだけでは終わらなかった。

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