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「多い時は“週5”で行ってます」山本昌や川上憲伸、荒木、吉見も熱中…都市対抗予選で中日レジェンドが“激突”舞台裏「なぜ社会人野球に魅せられる?」
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小西斗真Toma Konishi
photograph byBUNGEISHUNJU
posted2025/06/05 17:00
川上憲伸、山本昌らドラゴンズの“レジェンド”が都市対抗で激突?
元エースが語る「名門の現状」
王子は都市対抗には19度出場、2004年には優勝している強豪で、西川龍馬(オリックス)を輩出するなど、高いレベルの選手も在籍するが、ドラフト指名の夢を絶たれる選手も数多い。しかし、腐ることなく練習に取り組む姿勢に、心が揺さぶられた。5月7~11日のJABA九州大会では見事に優勝し、都市対抗に弾みをつけると同時に秋の日本選手権への出場権を手に入れた。5日の1回戦も大勝で2回戦に駒を進めている。
ドラゴンズOBが指導する4チームの中で、最も輝かしい実績をもつのはトヨタ自動車だ。都市対抗には26度出場し、2年前には2度目の優勝を飾っている。もうひとつのビッグ大会である日本選手権は、昨年の優勝が実に7度目だった。企業やチームの文化、風土を理解し、自身もレガシーといえる吉見さんは名門の現状をこう語る。
「選手は素直で野球に対して正直だなと感じます。社会人野球はプロの二軍と試合をすれば負けるかもしれませんが、二軍の若手が社会人の強豪に入ってもレギュラーにはなれないレベルです。技術はありますから。トヨタはデータ分析も非常に進んでいますし、恵まれた環境だと思います」
OB同士の“激突”は確実?
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4人は「臨時」や「アドバイザー」などのふんわりとした肩書きだが、決して片手間ではない。コーチ登録されており、公式戦でのベンチ入りも可能な立場である。
ちなみに山本さんが「ちょっと組み合わせが悪い」と顔をしかめた理由は、日本製鉄東海REXは1回戦でホンダ鈴鹿(鈴鹿市)と当たり、勝つとトヨタ自動車と戦う可能性が高い。同じく王子と三菱自動車岡崎も、互いに勝ち進めば準決勝で激突する。全員が「仕事の都合がつく限りは球場に行く」と話しており、6月の岡崎は熱い戦いとなりそうだ。


