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「多い時は“週5”で行ってます」山本昌や川上憲伸、荒木、吉見も熱中…都市対抗予選で中日レジェンドが“激突”舞台裏「なぜ社会人野球に魅せられる?」
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小西斗真Toma Konishi
photograph byBUNGEISHUNJU
posted2025/06/05 17:00
川上憲伸、山本昌らドラゴンズの“レジェンド”が都市対抗で激突?
三菱自動車岡崎(岡崎市)は川上憲伸さんが特別臨時コーチとして指導に携わっている。ドラゴンズ黄金期を支えたこの3投手だけで、最多勝7度、最優秀防御率2度、沢村賞2度。そして王子(春日井市)には通算378盗塁にして二塁手としてゴールデングラブ賞6度の名手、荒木雅博さんがアドバイザーの肩書きで指導している。
「多い時は“週5”で…」
4人全員がベストナイン受賞者で計8度。まごうことなき超のつく一流選手が、社会人野球に携わっている。吉見さん以外は出身母体でもなく、そもそも社会人野球未経験だ。知らなかった世界だからこそ、その情熱と奥深さに引き込まれているようだ。
「多いときは週5で行ってますから(笑)。バンテリンドームでナイターの解説があれば、午前中に顔を出したりね。(デーゲームの)土日が仕事と重なったらいけないけど、それ以外はという感じです。やりがいはありますよ」
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山本さんは解説者と二足のわらじを履き、投手陣の指導はもちろんだが野手陣のために打撃投手も務めている。8月で還暦。それでも「監督やコーチが投げているのに、僕が投げないわけにいかないでしょ」と笑顔で話してくれた。かつては新日鉄名古屋として、都市対抗に出場14度、準優勝経験もある強豪だが、2021年を最後に本大会から遠ざかっている。
コーチ経験者も驚く「意識の高さ」
一方、4人の中で唯一、NPBでの指導歴があるのが荒木さん。専門分野の内野守備、走塁中心に教えているが、発見と驚きの連続だと言う。
「僕はプロをあきらめたらモチベーションがガクッと落ちるのかなと勝手に想像していましたが、全然違いました。(年齢や技術面で)プロは無理かなと思う選手がほとんどですが、都市対抗、日本選手権に何としても出たいという思い、志を高くもってやっています。シートノックへの意識もすごく高くて、自分がいつかNPBに戻っても、あんなシートノックをやりたいと思うほどなんです」


