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山本由伸も最短KO…ドジャース先発“崩壊”問題にLA記者が本音、大谷翔平でも佐々木朗希でもない懸念点とは?「トレードでの補強は…」
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杉浦大介Daisuke Sugiura
photograph byBrian Rothmuller/Icon Sportswire via Getty Images
posted2025/06/03 06:00
ケガ人続出のドジャース先発人の中で獅子奮迅の活躍を見せていた山本由伸だったが、現地6月1日のヤンキース戦では今季最短となる4回途中4失点で降板した
ショウヘイに関しては、10月に登板が必要になった場合に備えて慎重な調整が進められている。オールスター後に復帰を飾り、シーズン中に8〜10度ほど先発し、プレーオフに向けて調子を見極めていく流れだろう。ショウヘイに関しての難しさは、投手として出場すれば故障の危険度が増し、打者としても出場できなくなるリスクが出てくるという部分だ。だからこそ、復帰登板を後半まで引き延ばした判断は理解できる。じっくりと時間をかけ、投手として、打者として、プレーオフでどのように起用するのが最も理にかなっているかを見極めていくことになる。
「波乱がないかぎりトレードは必要ない」
さっきも言った通り、ヤマモト、スネル、グラスノー、ショウヘイの4人が核になり、そのうちの2人が完調の状態であればドジャースは自信を持ってポストシーズンに臨めるのではないかと思う。先発ローテの頭がしっかりとしていれば、3番手がトニー・ゴンソリンやダスティン・メイであってもそこまで厳しい事態ではない。シーハン、もう少し状態がよくなった場合のランドン・ナックらも戦力になる。
そう考えていくと、あくまで先発投手に関しては、今季はシーズン中の大きなトレードでの補強はないのではないか。あるとすれば、今後数カ月に複数の選手がシーズン終了となるような故障を負うなど、本当にクレイジーなことが起こった場合。そもそも今の時点でメインの4人中3人は実戦に臨んでいないわけだから、彼らがさらなる故障を負う可能性は低い。トレード期限までにそこまでの波乱は起こらないだろう。
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もちろん先発に限らず、チームの層を厚くするための補強策はあるとは思う。ブルペン、野手陣まで含め、ドジャースは何人かの選手を加えてチームのバランスを向上させようとするに違いない。ただ、先発ローテーションに限って言えば、去年、ジャック・フラーティを獲得し、先発のトップ2を任せたような補強策は考えにくい。
2025年のチームにとって、トップクラスの先発投手を新たに加えるよりも、自前の投手たちを回復させるのが先決。後半戦に向けて健康を取り戻させることで、ポストシーズンでも戦えるだけの陣容が整うと考えているはずだ。

