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「ノミの心臓と言われているので」160キロの剛腕・齋藤友貴哉が日本ハム入団後に発した言葉の真相…サヨナラ被弾後「新庄剛志監督の談話に武者震い」
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酒井俊作Shunsaku Sakai
photograph bySANKEI SHIMBUN
posted2025/06/21 11:01
日本ハムの160キロ剛腕・齋藤友貴哉。2年前の入団会見後に「ノミの心臓と言われて…」と発言したがその真意とは
新庄監督の談話に武者震い
試合後の新庄は齋藤のサヨナラ被弾を咎めることもなく、こう言った。
《ボール自体はすごく良かった。苦しいリハビリをクリアして、このマウンドで投げられたことは、おめでとうと言いたい》(24年5月2日、北海道新聞)
試合後、齋藤はこの新庄の談話に触れて武者震いしたという。
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「ここから始まるんだと正直に思いました」
それと同時に、齋藤にはあるフレーズが脳裏に浮かんだ。
《努力は一生 本番は一回 チャンスは一瞬》
新庄の座右の銘である。齋藤はつづける。
「新庄さんが言う、『チャンスは一瞬』というのは、デビュー戦でまずチャンスをもらえたんだと思いました。でも、そこで最初はチャンスを摑めなかったわけなので」
このときはまたも制球難が頭をもたげ、わずか5試合に投げただけで二軍にUターン。監督のフレーズは齋藤の危機感をあおった。
新庄から言われた「堂々としろ」
見違える姿をみせるようになったのは、再び一軍に昇格した6月末以降である。
夏本番に入り、一軍に戻ってきた齋藤は新庄にこう言われた。
「俺が一番だと思って、堂々としろ」
一軍で登板を重ねた齋藤はやがて、指揮官の思いを知るようになる。
「新庄さんは本当に四球が大嫌いなんです。自分がおどおどしているように見えるから、そういう言葉を掛けられたのだと思います」
堂々としろーー。デビュー戦でサヨナラ被弾したときにも伝えられた言葉だ。

