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「20点差で負けていても楽しそう…」日本初のプロ野球チーム「佐賀アジアドリームズ」はナゼ注目を集めるのか?「NPB球団スカウトが密かに視察も」

posted2025/05/25 17:40

 
「20点差で負けていても楽しそう…」日本初のプロ野球チーム「佐賀アジアドリームズ」はナゼ注目を集めるのか?「NPB球団スカウトが密かに視察も」<Number Web> photograph by Yasushi Washida

日本初のプロ野球チーム「佐賀アジアドリームズ」を率いる香月良仁監督(左)

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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 佐賀県の武雄市と嬉野市を拠点とするユニークなプロ野球チーム「佐賀アジアドリームズ」が静かな注目を集めている。

 世界160の国と地域の約4億6000万世帯に配信されているNHKワールドJAPANで特集番組が組まれ、海外向けに5月26日から5回放送されることが決定。日本でも視聴できるホームページでも、26日9時30分から配信がスタートされる。また、テレビ東京系の人気番組「Youは何しに日本へ?」も「佐賀アジアドリームズ」を特集。同チーム所属のインドネシア出身、リズキー外野手を中心に約1カ月に渡ってチームに密着取材した番組が、5月26日の18時25分からオンエア予定だ。

 ドリームズは独立リーグ・九州アジアリーグに準加盟している球団だが、なぜこの地方の独立リーグの、しかもまだ準加盟しかできていないチームがここまで注目を集めるのか。<全2回の前編/後編も公開中>

日本初「アジア選手中心に結成された」プロ野球チーム

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 それはこのチームが日本で初めて外国人、特にアジアの選手たちを中心に結成されたプロ野球チームだからだった。

「インドネシアを訪れた際にボールもバットもボロボロな中でも、一生懸命に野球をして、笑顔にあふれる子供達に接したのがきっかけでした」

 こう語るのはチームを運営する「NEO ASIA JAPAN」福原佑二社長だ。

 そこで福原社長が見たのは「道具代もかかるし、お腹が空いて食事代もかかるので、野球をしてはいけない」と言われて野球を断念する選手たちの現状だった。そんな中でたとえ野球を続けられたとしても、上のレベルを目指すための環境がなかなかない。「それならば日本で」と、思い立ったのがこのユニークなチームの設立だった。

 動き出したのは2021年。それから3年後の24年にチームは正式に発足した。当時はリズキー外野手などインドネシア出身の選手が中心だったことで「佐賀インドネシアドリームズ」の名称で活動をスタート。しかし今年はインドネシアだけでなくフィリピン、カンボジア、パキスタン、スリランカ、タイのアジア各国に、ベネズエラとドイツに日本人選手も加わった多国籍軍団となって「アジアドリームズ」へと発展的な改称をした。

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#佐賀アジアドリームズ
#香月良仁

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