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ロッテの“10代バッテリー”寺地隆成&木村優人…40年ぶり快挙を生んだ「いつも一緒」19歳の日常「あいつは陽キャラ」「ワサビに最近ハマって…」
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梶原紀章(千葉ロッテ広報)Noriaki Kajiwara
photograph byChiba Lotte Marines
posted2025/05/26 11:00
寺地と木村の「十代バッテリー」二人の絆は深い
高校時代に出会っていた二人
東京ドームは2人にとって思い出の地でもある。U−18侍ジャパンに選出され、初めて出会った2人はここで大学選抜チームと試合をしている。当時、寺地は捕手ではなく一塁手として試合に出場。「1番ファースト」でスタメンに名を連ね、初回にヒット(左前打)を放っている。木村は5番手として中継ぎ登板。1回3分の2を投げて被安打2、無失点に抑えている。2人にとって東京ドームは、自分たちの未来への手ごたえを掴んだ舞台でもあった。
侍ジャパンのユニホームに袖を通し、初めて出会った2人。木村は寺地との初対面について「陽キャラ。誰とでも話をするフレンドリーな感じでした」と振り返る。明徳義塾高・寺地の名前は全国に轟いており、「高校時代から寺地の存在は知っていました。打撃が凄くて憧れていました。フルスイングで初球からガンガン行く選手」と当時の印象を話した。
寺地もまた霞ヶ浦高校(茨城県)の木村の噂を耳にしていた。「3年春の頃に名前をよく聞くようになった。ピッチャーとしても凄いボールを投げる選手で打撃もいい選手がいると聞いていた」と思い返す。
受けたボールに「レベルが違う」
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この当時、寺地は前述したように内野メインでプレーをしていたこともあり、試合ではバッテリーを組んではいない。ただ寺地がブルペンで初めてボールを受けたのは木村だった。そのボールに衝撃を受けた。
「これは一つレベルが違うと思った。ストレートの質というか重さ。今まで受けてきた中でも球威が全然、違った。手が痛かった」
寺地が一つ上のレベルを感じ取った瞬間だった。
木村には侍ジャパンで野球以外での寺地に関する印象深い思い出がある。台湾遠征でのこと。オフの日、全員で親睦を深める意味合いもあり中心街で外食することになった。服装は自由。みんなが合わせたかのようにお揃いのチームのポロシャツにジャージという服装でホテルロビーに集合した中、寺地はノースリーブのシャツに短パン姿で現れた。サングラスもつけて、まさにバカンスといった装いだった。
これに木村は驚いた。


