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ロッテの“10代バッテリー”寺地隆成&木村優人…40年ぶり快挙を生んだ「いつも一緒」19歳の日常「あいつは陽キャラ」「ワサビに最近ハマって…」
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梶原紀章(千葉ロッテ広報)Noriaki Kajiwara
photograph byChiba Lotte Marines
posted2025/05/26 11:00
寺地と木村の「十代バッテリー」二人の絆は深い
「たぶんギャグだと」「ウケを狙ったつもりは…」
「確かに服装は自由との話でしたけど、みんな無難にチームで支給されたアパレルを着ていました。寺地が一人だけ、サングラスして短パンとノースリーブのシャツでリラックスしていて、度肝を抜かれました。コイツ、すげえなあと。本人に聞いてはいないですけど、たぶんギャグだと思います。盛り上がりましたから。ムードメーカー的な存在でした」
そしてこう続ける。
「今は落ち着いている風に見せているけど、まだ猫を被っているだけだと思いますよ。もっともっと面白いキャラ」
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一方、寺地は「特にウケを狙ったつもりはなかったです。服装は自由だったので私服で行っただけ。盛り上がっているし、まあいいかなあという感じでした」と、少し照れくさそうに当時の事を振り返った。
「アイツは化け物」衝撃のデビュー戦
2人はその後も強い縁で結ばれていた。2023年ドラフトで木村が3位、寺地が5位でマリーンズに入団した。寺地は1年目の24年に先に一軍デビュー。プロ初ヒットも放った。そして今シーズン、木村は福岡でソフトバンクとの開幕3戦目で、同点の7回に登板。1回無安打無失点で味方が続く8回に勝ち越したため、プロ初登板初勝利を手にした。
デビュー戦から堂々としたマウンドさばきをみせた背番号「53」。マスクを被った佐藤都志也捕手に「アイツは化け物。心臓に毛が生えている」と言わしめた。だが普段の姿をよく知る寺地はその素顔をこう暴露する。
「意外とアイツ、緊張しますよ。表情は堂々としているけど、ベンチに戻ってきて、後々聞いたら『めちゃくちゃドキドキした。ヤバかった』と言っています」
励まし合いながら過ごす日々
現在、一軍には同い年が2人しかいないことから一緒に過ごす時間は多い。遠征先の移動や寮と球場の行き帰りなどは一緒。食事を共にすることも多い。猛者が集うプロ野球の世界で10代の2人は励まし合いながら毎日を過ごしている。
「19歳は2人しかいない。一緒に頑張ろうという気持ち。でも、ライバルでもあると思っている。負けたくない。一緒に活躍して、2人で頑張って、チームのためになればと思う」と寺地。木村は「自分も19歳。寺地も19歳。お互い気を遣わないで過ごせる。試合でも2人でバッテリーを組むと投げていて楽しいですし、彼が努力しているのも知っているので信頼をしている」と相棒に優しい視線を向ける。



