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プロ野球PRESSBACK NUMBER
ソフトバンク戦力外→中日で復活…上林誠知ら明かした“本音”「中日とホークス、何が違う?」現地取材でわかった“中日が強くなる”条件…涌井秀章も証言
text by

長尾隆広Takahiro Nagao
photograph byKYODO
posted2025/05/25 06:01

10年間プレーしたソフトバンクから戦力外通告を受け、昨季から中日でプレーする上林誠知(右)。左はベテランの涌井秀章
「ダントツですごかった。あの人がいるから、僕はいつまでも満足できないのだと思う。たまたま自分は若くして結果が出ましたけど、上には上がいる。『こんなんで満足しちゃダメ』と思わせてくれた、いいお手本です。(ドラゴンズに)来てから間もないので、まだどこかで遠慮している部分はあるけど、早く結果を残してうちの若い選手にとって、(柳田のような)そういう存在に自分がなりたい」
ソフトバンクで栄光を掴んだ上林ですら常に競争し続け、戦力外となった。そこから新天地でチャンスを掴み、再び這い上がろうとしている。その経験は唯一無二の財産だ。上林誠知という野球選手の大逆襲はここから始まる。
熾烈な競争…三浦瑞樹の本音
今季ソフトバンクから移籍してきた三浦瑞樹も、中日でチャンスを掴んだ一人だ。2021年育成ドラフト4位で東北福祉大から古巣のソフトバンクへ入団した。プロ3年目だった昨年、支配下契約を勝ち取り、一軍で5試合に登板したが、球団から再び育成契約の打診があり固辞。活躍機会を求め新天地へとやってきた。
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2024年のウエスタン・リーグで、防御率1.60の好成績を残し、最優秀防御率のタイトルを獲得した実力を持つ技巧派左腕。中日入団時こそ育成選手だったが、“既定路線”通り、シーズン開幕直後に支配下契約を結んだ。5月1日の阪神戦(バンテリンD)では5回2失点でプロ初勝利。同じソフトバンクの育成出身左腕、阪神・大竹耕太郎に投げ勝ったことも何かの縁があったのだろう。
今年5月の時点でソフトバンクの育成契約選手は実に53人。2番目に多いのが巨人の40人だが、一軍の試合に出場できる「支配下契約選手」を目指す若き才能にとって、三浦がかつて所属したソフトバンクは、12球団のうち“最激戦区”と言っていいだろう。