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「お前ちょっと座れ」中嶋聡監督に呼び出され…昨季引退のオリックス・佐野皓大が明かす野手転向と“恩師”の導き「もっと食らいついていけばよかった」
posted2026/05/03 11:01
現役時代を振り返った佐野皓大さん。現在は球団職員としてチームを支えている(2026年1月撮影)
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米虫紀子Noriko Yonemushi
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Noriko Yonemushi
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手のひら中にできたマメが潰れて、血がにじむ。その上からテーピングをぐるぐる巻いて、痛みに痺れる手でバットを握り、振り続けた。
佐野皓大が投手から野手への転向を決めたプロ3年目、2017年の秋季練習の光景は壮絶だった。
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「ピッチャーの手になっていたんで、仕方ないですね。皮がね、もう全然違うんで」
今ではそう言って懐かしそうに笑う。
スイッチヒッターにも挑戦
最初はショートからスタートしたが、2018年の途中に外野手に転向。右打ちから、俊足を活かすためにスイッチヒッターへのチャレンジも始めた。7月に早くも支配下に復帰すると、その年の最終戦で代走として、投手では果たせなかった一軍デビューを果たす。19年は68試合、130打席と大きく出場機会を増やし、20年はチーム最多の20盗塁を記録した。
「当時監督だった福良(淳一)さんや西村(徳文)さんが可愛がってくれたのでありがたかったです。鬼のように練習させてくれましたし(笑)。弓さん(弓岡敬二郎・当時二軍ヘッドコーチ兼育成統括)もずっと付きっきりで振り込ませてくれました。しんどかったですけど、ありがたかったですね」
そして、中嶋聡前監督も、二軍監督時代から佐野を気にかけていた。
「僕が一軍に行っている時も連絡をくれましたし、キャンプ中に大腿四頭筋を痛めながらやっていた時に、ホテルの監督室に呼ばれて、『お前ちょっと座れ』と言われたことがありました。なんの話かな?と思ったら、治療してくれて。1時間ぐらいずっと、足で踏んだりしてほぐしてくれました」

