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井上尚弥に求められるのは「凄いライバルとの闘い」“東洋の激闘王”亀海喜寛の見果てぬアメリカンドリームと「強い選手とやりたい」井上への共感 

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二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

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photograph byNaoki Fukuda

posted2025/05/20 11:03

井上尚弥に求められるのは「凄いライバルとの闘い」“東洋の激闘王”亀海喜寛の見果てぬアメリカンドリームと「強い選手とやりたい」井上への共感<Number Web> photograph by Naoki Fukuda

亀海喜寛とヘスス・ソト・カラスとの第1戦。この激闘が「ザ・リング」誌のファイト・オブ・ザ・イヤー候補となり、亀海はアメリカでの評価を上げた

 結果は1-1のドロー。

「勝ち切れたのに」と悔しさは残ったものの、この試合はのちにアメリカの権威あるボクシング専門誌「ザ・リング」のファイト・オブ・ザ・イヤー(年間最高試合賞)の候補にも選ばれる。

 試合の数日後には「Great fight great heart」などとSNSでの称賛メッセージが多く届くようになる。わざわざ日本語に翻訳して送ってくれた人も少なくなかったとか。アメリカのボクシングファンからも注目を浴びるようになる。

さらに変貌して臨んだリマッチ

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 反響が大きかったことでその5カ月後、WBC世界スーパーフライ級王者カルロス・クアドラスと3階級制覇ローマン・ゴンサレスによるタイトルマッチのアンダーカードとしてリマッチが決定。場所はメキシコ人ボクサーの聖地とも称されるロサンゼルス近郊のザ・フォーラムだ。人気ボクサーの証と言っていいHBOの中継番組「ワールドチャンピオンシップボクシング」での放送も決まった。

 激闘型のスタイルに変貌を遂げていたが、会場の声援に押されて攻撃ばかりに行き過ぎないよう「自分の感情をブレーキする」ことをトレーニングから意識する。熱くなっても、どこか冷静に——。

 リマッチの舞台には進化した亀海がいた。

今度は完璧決着

 1ラウンドで左ボディーをめりこませて幸先のいいスタートを切ると、その後もボディー打ちでソト・カラスの体力を削ったうえで、8ラウンドに右フックでダウンを奪う。ラウンド終了後に相手が棄権を告げ、完璧に決着をつけた。

【次ページ】 マッチメーカーにかけられた言葉

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