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プロ野球PRESSBACK NUMBER
「僕のせいで、すみません」斎藤佑樹は冷静だった…日ハム決定のドラフト会場で記者が殺到「名刺が一瞬で消えた!」広報が見た“フィーバー”の実像
text by

熊崎敬Takashi Kumazaki
photograph byJIJI PRESS
posted2025/05/17 11:01
札幌ドームで入団会見を行った斎藤佑樹。平日にもかかわらず8000人ものファンが集まったという
新人選手としては前代未聞のドーム会見。それはNHKを含む道内全6局で生中継され、計36.3%を記録したが、関係者からの話に畑中は愕然とした。
「新千歳空港から札幌ドームに向かう斎藤さんの車を、並走するバイクから撮っていたメディアまであったというんです。さすがにやりすぎだろうと思って、メディアのみなさんに行き過ぎた取材は控えてほしいとお話ししたのは憶えています」
経験したことがないフィーバー
斎藤が動けば、世間が動く。経験したことがないフィーバーの中で、畑中が気にかけていたのは周りの選手たちのストレスだった。
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「鎌ケ谷での新人合同自主トレや名護キャンプには大変な数のメディアとファンが殺到したので、広報としてそれをどうさばくか、いつも考えていました。
プロ野球の取材経験がないワイドショーや週刊誌の人には、入っちゃダメでしょというところまで入り込んで撮ろうとする人もいる。そんな騒ぎの中では練習に集中できない選手もいるでしょうから、チーム内で『なんなんだよ、あいつは』なんて声が上がらないように、とても気を遣いました」
2月から始まった名護キャンプで、畑中は斎藤に寄り添い続けた。あるときは押し寄せるメディアやファンの防波堤となり、またあるときは「ここは立ち止まって話しましょう」とメディア対応の時間を設けるなど助言を送る。
ぼくのせいで、すいません
何か騒ぎが起きるたびに「ぼくのせいで、すいません」と申し訳なさそうにする斎藤に、「そんなの気にしなくていいよ」と励ましてもいた。


