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「NBAは本当に流動的なので…」24歳河村勇輝は愛着あるグリズリーズに残留できるか“運命の日”は「6月29日」カギを握るHCの存在
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宮地陽子Yoko Miyaji
photograph byAP/AFLO
posted2025/05/13 11:04
グリズリーズとの契約は1シーズンだったため、来季の処遇は未定。愛着あるチームに残れるか、それとも……
一方で、グリズリーズに対する愛着や、選手としてのやりやすさ、プラス面もあった。特に2ウェイ契約という立場だとグリズリーズとハッスルが同じエリアにあることは大きかった。
両チームの本拠地の間は約20km、車で15分ぐらいの距離のところにあり、ハッスルの試合が終わった後に、グリズリーズの施設に戻ってリカバリーを行うことも、さほど大変ではなかった。チームによってはNBAとGリーグの本拠地を移動するのに飛行機に乗らなくてはいけないこともあることを考えると、かなり楽だ。
またNBAチームでは当たり前のことが、ハッスルの試合後も食事が出るなど、選手へのケアも行き届いている。途中で移籍してきた選手たちから聞いた話では、チームによっては、それも当たり前ではないのだという。細かいことだが、身体のために栄養を必要とし、時間を無駄にせずに行動したい選手にとっては重要なポイントだ。また、グリズリーズでもハッスルでも、コーチやチームメイトなどといい関係を築くこともできていた。
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そういったグリズリーズの良さもあったからこそ、河村も、前述のコメントの後にこう続けた。
「まぁ、本当に欲をいうのであれば、やはり初めて自分を評価してもらったメンフィスの地でプレーして、ファンの皆さんだったり、ザック(・クレイマン)GMだったりコーチに恩返ししたいなって気持ちはあるんですけど」
そして、最後に再び、こう繰り返し語った。
「ただ、本当にNBAは流動的なので、常にアジャストする必要があるなとは思います」

