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渡辺勇大が“驚きの告白”「(競技を)辞める選択肢もあった」五輪メダリストがナゼ?「赤字垂れ流しで、切り崩しながら…」“代表辞退”後の現在
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松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byShiro Miyake
posted2025/05/13 11:02
五輪2大会連続でメダルを獲得したバドミントンの渡辺勇大が、競技を取り巻く現在の環境や思いを明かした
それでも、乗り越えてきた。
「まだ強くなりたいというのがいちばんだったかな。あとは田口が組んでくれるのも大きかったかなと思いますね」
実は昨年12月の全日本総合選手権を終えて、田口との活動を継続するかどうかを考える、と渡辺は語っていた。田口とともに2028年のロサンゼルス五輪を目指して進んでいくことを表明したのは今年2月19日のことだ。一緒に活動することに逡巡した理由は、パートナーとしての田口の力量ではなく、競技環境の問題がかかわっていた。
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「まず全日本総合のときは、自分自身の覚悟というところと、選手としてプレーを続けていけるのかというところで、100%プレーできますと言えなかったので、いったん考えますとお話しさせてもらってました。競技を続けている間はずっと世界一を目指しているので、そのための最低限の環境が整ったのがそこ(2月19日の発表)でした」
ロサンゼルス五輪を目指す道のり
4月1日には、一昨年からスポンサーとして支援を受けていた電源開発株式会社(Jパワー)と所属契約を締結したことを発表。競技に打ち込む体制は整った。
「まだ実際にオリンピックに出られる保証も何にもないし、その立場にもなっていないと思うので、早くオリンピックの可能性を見出せるように、そこに立てるように、大会に出て地力を積み上げていきたいです」
渡辺と田口はともに左利きでこれまでとは違ったスタイルになる。
「新しい形なので、それはそれですごく面白いと思うし、それが武器になってくれれば、世界で戦えると思っています。お互いの地力を上げたり、ミックスダブルスとしての完成度をどんどん上げていきたいです」

