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プレミアリーグの時間BACK NUMBER
「ここでSBとは!」“リバプールの名クローザー”遠藤航が優勝→守護神とハグ5時間後…日本人記者に明かすウラ話「アリソン、孤立して見えたので」
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山中忍Shinobu Yamanaka
photograph byAndrew Powell/Getty Images
posted2025/05/01 17:02
プレミアリーグ優勝を果たしたリバプールの遠藤航。アンフィールドで満面の笑み
実際のパフォーマンスは一般的には「及第点」の評価に留まるのだろう。10点満点中6点とした地元紙『リバプール・エコー』の寸評には、投入直後のファウルを「典型的」とする一言があった。
しかし、遠藤は守備力と戦闘意欲を間断なく披露する。それを頼もしく感じているファンは、肯定的な反応を示し続けた。スタンドからは、投入を前にウォームアップから呼び戻された時点で、すっかりお馴染みの遠藤チャント。相手のクロスを予期していたポジショニングにも、体を張った競り合いにも、「ワ~タルー、エンドー!」と始まる合唱が続いた。
さすがは、2カ月ほど前のウォルバーハンプトン戦(2-1)で、途中出場ながらもマン・オブ・ザ・マッチに選出された経緯のある「12人目」のチームメイトたちである。遠藤自身もこの出来事についてこう触れている。
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「マン・オブ・ザ・マッチには自分でもちょっと驚きましたけど、それだけ、ファンも監督も含めてみんなが、途中から入ってくる選手たちの重要性をわかってくれている。それを改めて実感できた試合が、ウルブズ戦だったかな」
守護神とハグ…「孤立していたのが見えたので」
そこで、前節後に遠藤の重要性を語ってくれたファンダイクのコメントに言及すると、当人は「日本メディアだから、ちょっといいこと言ってやろうと思ってくれた部分はあると思う」と、謙遜していた。
だが、ピッチ上の出場時間だけでは測れない遠藤の存在感を思わせる場面は、試合終了直後にも確認された。
試合終了の笛が鳴ると、遠藤はまず右手、次いで両手を挙げてガッツポーズ。するとおもむろに自軍ゴール前へと走り出し、GKのアリソンとハグして喜ぶ姿があった。
「みんな喜んでピッチに入ってきている中、アリソンだけ孤立していたのが見えたので。僕が走り始めたタイミングで、ちょうど(アンドリュー・)ロバートソンもアリソンに気付いて、たまたま2人でアリソンに寄っていった。ああいう時は、結構、周りが見える人と見えない人で(違う)というか。みんな、それぞれ祝っているわけだけど、自分は何か落ち着いていて、1人でいる選手のところに行く。そんな感じだったですね」
試合後、コーチ陣の1人が「信じられないほど素晴らしいチームプレーヤーだ」と、遠藤のあり方を評していたのももっともだ。
“ユルネバ熱唱”前に見た遠藤への信頼
チームスタッフを含む全員が肩を組んで並び、その正面に位置するザ・コップで肩を組むサポーターたちと、リバプール賛歌として有名な『ユール・ネバー・ウォーク・アローン』を熱唱し合う少し前のこと。アンフィールドの中でも、特に熱狂的なファンで埋まるゴール裏スタンドの前では、主力選手たちが各自のチャントで称えられていた。遠藤よりも先にザ・コップからの“唱賛”を浴びた選手は、サラー、アリソン、ファンダイク、そしてアーノルドとロバートソンの両英国人しかいない。
ホーム観衆の前でマイクを握った指揮官は、「過去35年間で2度目ではなく、この5年で2度目なのだ」と優勝スピーチを締め括った。試合前には赤い狼煙を上げ、試合後には祝勝の花火を上げていたサポーターたちの記憶には、その日付けとともに刻まれているはずだ。
それだけ強いチームへと進化を続け、その一員には遠藤もいるリバプールが実現した、「プレミア優勝の日」を。〈第1回からつづく〉

