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プレミアリーグの時間BACK NUMBER
「ここでSBとは!」“リバプールの名クローザー”遠藤航が優勝→守護神とハグ5時間後…日本人記者に明かすウラ話「アリソン、孤立して見えたので」
posted2025/05/01 17:02

プレミアリーグ優勝を果たしたリバプールの遠藤航。アンフィールドで満面の笑み
text by

山中忍Shinobu Yamanaka
photograph by
Andrew Powell/Getty Images
子供の頃も、そこまではイメージしていなかった
遠藤航のサッカー人生に、眩しい記憶のページが新たに刻まれた。4月27日、リバプールは、アンフィールドにトッテナムを迎えたプレミアリーグ第34節で大勝(5-1)。4試合を残して2位アーセナルとのポイント差を「15」とし、アルネ・スロット体制1年目のプレミア王座戴冠を決めた。
「日付まで(ずっと)覚えているかはわからないけど、プレミア優勝の日っていう……」
5歳の頃からボールを蹴っている32歳は、しみじみと言った。試合終了からすでに5時間ほど経っていた。6万人収容のホームを埋めたファンと共有したピッチ上でのセレブレーションはもちろん、スタジアム内4階の特設会場で開かれたチーム祝勝パーティーも後にして、喜びを噛みしめるかのように話してくれた。
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「子供の頃も、そこまではイメージしていなかったというか、プレミアでプレーしたいという夢はあったけど、本当にプレミアで優勝するという目標まで掲げていたかというと、そうではなかったです。プレーしたいとは思っていたにしても、まさか自分が優勝するなんていうのは。もちろんリバプールに来てからは、それを目標にやってきたわけですけど」
言わば、“夢のまた夢の、そのまた夢”が叶ったリーグ優勝決定は、完璧な逆転勝利によって実現された。キックオフから12分で先制されたが、その1点ビハインドも、ドラマ性を加える“特殊効果”のようなものだった。
赤い発煙筒に包まれた聖地アンフィールド
その状況は4分間しか続かず、ハーフタイムまでにリバプールは逆に2点リードを奪った。後半は、ほぼ一方的な展開。遠藤の出番は、5-1となった77分に訪れた。
「まず、ピッチに立てて良かったということと、状況が状況だったので、本当、雰囲気を楽しもうみたいな感じで入っていました」
その雰囲気は普段から「熱量」の高さで知られるリバプールのホームでも特別だったと言う。
「チームバスでスタジアムに入るところ、いつも通る最後の一本道があるんですけど、監督が言っていたのは、そこで5万人ぐらいのファンが並んで発煙筒を焚いていて、そこからして『行くぞ!』みたいな感じになっていたので、やっぱり試合前から全然、雰囲気が違いました」
そこには、前節レスター戦後、キャプテンのDFビルヒル・ファンダイクが表現していた通りの「真っ赤に染まったアンフィールド」があった。