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「エンドウ不要論」リバプールサポが手のひら返し…遠藤航プレミア優勝「ワタとは少なくともあと2年」日本人記者が“世界最強DF”から聞いた信頼

posted2025/05/01 17:01

 
「エンドウ不要論」リバプールサポが手のひら返し…遠藤航プレミア優勝「ワタとは少なくともあと2年」日本人記者が“世界最強DF”から聞いた信頼<Number Web> photograph by AP/AFLO

円熟の守備でリバプールのプレミア優勝に貢献した遠藤航。同僚・ファンからの評価は?

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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日本代表のキャプテンMF遠藤航(32歳)が、名門リバプールの5年ぶりプレミアリーグ優勝に貢献した。途中出場での“クローザー”的役割を果たした今季のファンや戦友からの評価、そして栄冠獲得直後に本人からの言葉を旧知の現地日本人記者が聞いた。〈NumberWebレポート/全2回。第2回へつづく〉

「エンドウはもはや不要」から手のひら返し

 4月20日に行われた、プレミアリーグ第33節レスター対リバプール終了後の光景。バックスタンドの一角では、1-0で勝利し、リーグ優勝まであと1勝としたリバプールの選手が、アウェイゲームに駆けつけた「12人目」と喜びを分かち合っていた。

 スタンドの一番近くには、チームメイトに「行ってこい」とばかりに背中を押された、トレント・アレクサンダー・アーノルドがいる。今夏のレアル・マドリー加入が噂される右SBは、3月中旬に足首を痛めて以来の戦線復帰で終盤にベンチを出ると、利き足ではない左足ボレーで「マジック1」を点灯させた。

 キングパワー・スタジアムに詰めかけたサポーターたちは、最後まで歌い続けた。スティーブン・ジェラード賛歌や、降格秒読みだった対戦相手への“口撃”が披露される中で、「リーグ優勝だ!」とのチャントが何度も繰り返された。

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 リバプールはこの2カ月ほどで、国内外4冠の望みは次々と消滅した。とはいえ残るのは、感情的には最も「重い」プレミアのタイトルだ。アルネ・スロット体制1年目のリーグ優勝は、ユルゲン・クロップ体制後の不安を打ち消すと同時に、マンチェスター・ユナイテッドと肩を並べる、通算20回目の戴冠となる。しかも宿敵は下位低迷中とくればファンが盛り上がらないわけがない。

 そんなリバプールが得点を奪った76分、スタンドで「遠藤、来るかも」と期待した者は、記者席の日本人4名だけではなく、サポーターにも多かったはずだ。出場機会は減っても、遠藤という戦力に対する評価が落ちてはいない事実は、ファンの声を聞けば明らかだ。

「エンドウはもはや不要」

 開幕当初、こんな意見も少なくはなかった。より攻撃的なオランダ代表MFフラーフェンベルフに定位置を奪われた格好の遠藤に対して「できることが限られる」との見方は今もある。とはいえ個人的には「絶対に期待を裏切らない」という“手のひら返し”の声を最もよく耳にする。

「プレーから伝わる『リバプールでやりたい』という心意気だけでも十分」

「全員が結果を残すからこそ首位に」

 筆者の友人で、父親とともにアンフィールドのシーズンチケットを持つジャックはこう言う――遠藤はピッチに立つや否や、タックルやインターセプトに成功したり、身長で勝る相手との空中戦に競り勝つことも珍しくない。自軍後方に強さと安定感を加え、力強く勝利へと試合を締め括る。

 相手チーム最後の攻撃を跳ね返した遠藤のヘディングでのクリアに、ファンが「ウェルダン(いいぞ)!」と叫んでいたのは、第10節ブライトン戦(2-1)でのこと。試合後には相手ウインガーの三笘薫が、こう遠藤の効き目を認めていた。

【次ページ】 ファンダイクが語る「ワタの重要性」

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