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プレミアリーグの時間BACK NUMBER
「エンドウ不要論」リバプールサポが手のひら返し…遠藤航プレミア優勝「ワタとは少なくともあと2年」日本人記者が“世界最強DF”から聞いた信頼
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山中忍Shinobu Yamanaka
photograph byAP/AFLO
posted2025/05/01 17:01
円熟の守備でリバプールのプレミア優勝に貢献した遠藤航。同僚・ファンからの評価は?
「彼のところで潰される場面もあり、素晴らしいプレーをしていた」と。
第19節ウェストハム戦では4点リードの後半早々からピッチに立つと33分間の任務遂行。5-0の大勝も本人いわく「無失点で抑えることが最近のチームの課題で、みんなが特に無失点を意識していた」という一戦だった。
「リバプールに来た理由はタイトルを獲ること」
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その決意をもって名門の扉を叩いた遠藤は、後半戦に向けてこうも話していた。
「途中から入るメンバーも含めて、全員が結果を残すからこそ首位にいられる。タイトルを獲るには、間違いなくチーム全員の力が必要だとみんな分かっていると思うので、その一員としてとにかくやっていく」
その姿勢と行動が貫かれている。だからこそ、フラーフェンベルフを正ボランチと位置付けるスロットも、リーグ戦後に加えて先発の機会を与えてきたカップ戦の会見で総合力の高さを示す好例として遠藤に言及することがあったのだ。
ファンダイクが語る「ワタの重要性」
地元サポーターも、遠藤に対しては好印象が上回る。
今年2月、ホームでのリーグカップ準決勝第2レグでのこと。スタンドへの入り口付近でサポーター3名に遠藤のイメージを聞いてみたところ……。
「ウチの中盤には貴重な強さの持ち主」「気の利いたパスを狙うとカットされる」「ポジショニングが良い」
と、2対1で好印象だった。
では“ワタ”の愛称を持つ日本人MFの貢献度を、戦友はどう考えているのか。そこでレスター戦後、DFビルヒル・ファンダイクに尋ねてみた。すると世界最強レベルの守備力を持つリバプール主将は、「凄く重要さ」と切り出し、こう続けた。
「そう、ワタはピッチの内外で非常に大事な存在だ。昨季より出場機会は減ってしまっているが、彼の重要性は変わらない。勝利を確実にするため、チームに必要な経験値を活かすために、ピッチに入って来てくれる。それに、普段からリーダーの1人でもある。キャプテンの立場としては、彼がいてくれて本当にありがたい。他にも何人か、リーダーシップの持ち主が必要だから。ワタは間違いなく、そんなチームメイトの1人。彼の存在は、本当に嬉しい。少なくともあと2年、ここで一緒にやっていきたいね」
世界最強DFもサポも“ホレた”ピッチサイドでの振る舞い
思わせぶりな微笑みを浮かべた33歳のオランダ代表CBは、レスター戦の3日前に2027年6月までの契約延長が発表されたばかりだった。32歳の遠藤も、現契約があと2シーズン残っている。ファンダイクの信頼も厚い日本代表キャプテンが、背中でチームメイトを引っ張れる存在なのは、この日のピッチサイドでも垣間見られた。

