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「なんでなんだお前!」カズがシュートせずフランス人同僚に“詰められた日”「60歳までやるのは大変だが70、80歳でも…」仏専門誌で告白 

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田村修一

田村修一Shuichi Tamura

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posted2025/06/14 17:05

「なんでなんだお前!」カズがシュートせずフランス人同僚に“詰められた日”「60歳までやるのは大変だが70、80歳でも…」仏専門誌で告白<Number Web> photograph by Getty Images

プロフットボーラーとして現役生活を続ける三浦知良。フランスの専門誌も注目をしている

「例えばずっと練習をやらない人がネームバリューでチームに所属していて、監督が1分出場させたらそれがもう記録になる。そんなの意味がないと思いますね。やっぱり毎日みんなと練習をして、ポジション争いをして、今の僕だったらそれではじめて1分2分出られる。5分とか長くて10分出られるという状況です。でも僕自身は、キックオフから出る準備をしているんです。それでも最後のこの時間で点が欲しいときに、ミウラに賭けるということで出る機会が向こうでは多かった。

 毎週毎週、毎日毎日が勝負で、それをやって得られたものに、僕は充実感を感じる。そのことに納得しているし、そこを目指して行きたいと。だから最年長記録みたいなものは、そんなに意味はないなと思っています。

 還暦までと、20代のインタビューでも40歳のときも言っていましたけど、本気で言ってはいなかったです。リップサービスのようなもので、そんなところまで思ってはいなくて、毎日毎日やってここまで来たという感じです。だから記録というものへの思いは、別に何もないですね」

今の練習を60歳までやるのは大変、でも

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 では、人々のもうひとつの大きな関心事である引退はどうなのか。以前、カズにグアム島合宿でロングインタビュー(2018年12月)した際に、彼は「特別なことはしたくない。練習なり合宿を終えて、そのまま静かに終わりたい」と語った。また「出来ることならピッチの上で、サッカー選手として生涯を終えたい」とも。

「そんなこと言いましたか(笑)。まあ、今もあまり変わらないですね。

 この前、北澤豪さんに『カズさん、60歳までもうすぐですね』と言われたけど、別に60歳を目標にしているわけではなくて、実際、今のトレーニングを60歳までやるのは相当大変だなあと思います。でも、それが出来なければ自分には続ける権利がない。みんなと一緒にトレーニングができない状態になったら、止めなきゃいけないかなとは思います。ただ、本音を言えば、今のことが70歳でもできれば70歳でもやりたいし、80歳でもやりたいと思っています。でもそれって無理なんで(笑)。

 何歳までというより毎日トレーニングして試合に向けて準備して、出場が5分でも2分でも1分でも同じことをやっていく。出場時間が1分だから、1分用の練習でいいやというわけにはいかないじゃないですか。プロである以上は先発して90分出る準備をしながら、1分に懸ける、2分に懸ける、3分に懸けるという思いでずっとやっていきたい。

 静かにというよりもサッカー選手として死ねたらそれがいいです。でもまあ、家族は悲しむかもしれませんね(笑)」

前の自分なら強引に持って行ったはず

 ポルトガルで自身を再生させ、新たなエネルギーを得たカズは、これからどうしようとしているのか。復帰したアトレチコ鈴鹿で、サポーターに彼のどんな姿を見せるのか。

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