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「松坂(大輔)さんのようなピッチャーにしたい」監督はエースに太鼓判…公式戦16連勝“令和の横浜高”は27年前の「平成の怪物」伝説を超えられる?
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田口元義Genki Taguchi
photograph byJIJI PRESS
posted2025/03/20 11:05

甲子園であの松坂大輔を上回る152キロを記録した横浜高2年の織田翔希。公式戦16連勝と勢いに乗るチームは、過去の伝説を超えられるだろうか
「怪我をしないようにと考えながらトレーニングしたり、身体をケアしたりっていう姿勢は、僕が監督になってから見た選手では1番かもしれませんね」
横浜OBである村田は、高校時代に「松坂二世」と呼ばれていた涌井秀章とバッテリーを組んでいた。そして監督となり、再び出会った“松坂”についても冷静な目を持つ。
「涌井とはタイプが違いますし、松坂さんになる必要もないですから。ただ、監督として『松坂さんのようなピッチャーにしたい』という想いはすごくあります」
過去との比較…「向き合わせるほかありません」
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言葉では涌井とも松坂とも異なるとしながら、その口ぶりからは「超えてほしい」と望み、自分もサポートする志を窺わせる。
監督が高い到達点を掲げ奮い立たせるのは織田ら選手だけではない。チームにこそ、それを強く訴えてもいる。
「向き合わせるほかありませんからね。そこを乗り越えていかないと、いざ勝とうと思ったところで勝てませんから」
肝が据わっている。
それが、今年の横浜だ。
昨年の夏が終わり、新チームが始動してから「横浜1強」を号令に明治神宮大会を制した。それが、松坂がいたチーム以来の快挙だったこともあり、このあたりから春夏連覇を達成した最強軍団と「肩を並べられるのではないか」と囁かれるようになった。
過度な期待は時に雑音となりかねない。
しかし村田は、それを遠ざけ「自分たちの野球を」と必要以上に説くといったアプローチをしない。むしろ意識させている。
「するな、とも言えないですよね」