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「松坂(大輔)さんのようなピッチャーにしたい」監督はエースに太鼓判…公式戦16連勝“令和の横浜高”は27年前の「平成の怪物」伝説を超えられる?

posted2025/03/20 11:05

 
「松坂(大輔)さんのようなピッチャーにしたい」監督はエースに太鼓判…公式戦16連勝“令和の横浜高”は27年前の「平成の怪物」伝説を超えられる?<Number Web> photograph by JIJI PRESS

甲子園であの松坂大輔を上回る152キロを記録した横浜高2年の織田翔希。公式戦16連勝と勢いに乗るチームは、過去の伝説を超えられるだろうか

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田口元義

田口元義Genki Taguchi

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 そのスピードボールは、否応なく27年前の戦慄を呼び覚ます。

 市和歌山との初戦で先発マウンドに上がった横浜の2年生、織田翔希の右腕がしなる。

 先頭バッターへの4球目。甲子園球場のスコアボードに「152」が表示される。

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「投げたときは意識していなかったんですけど、ベンチに帰ってきたら『出た』と言われて」

 織田は初の大舞台で自己最速を記録した。それだけではない。1998年のセンバツ優勝の立役者である松坂大輔が、甲子園で記録した151キロをも塗り替えたのである。

 豪速球を武器に相手をねじ伏せる。

 そのパフォーマンスから、「平成の怪物」と呼ばれたレジェンドと重ね合わせる者も多い。ピッチングのみならず、ふてぶてしさを感じさせるほど自らに厳しい振る舞いも、どことなく似ているといえば似ている。

2年生エースには監督も太鼓判

 織田はこの試合、自己最速を刻んだことよりも、5回を投げ2失点という内容について不満そうに振り返っていたのである。

「試合の入りが大事と言われるなかで2回、3回まではよかったんですけど、メンタル、技術の面とか全てでブレーキがかかってしまったというか。(4回に)いきなり失点して、そこから立ち直ることができず(5回に)もう1失点して。負の連鎖というか、悪いところが出てしまったと思っています」

 報道陣とのやり取りの過程で松坂についても尋ねると、織田は「松坂さんはランナーを出しても堂々としていましたけど、自分はそこがまだまだ弱いと感じました」と課題を出し、自らを戒めていた。

 ややもすれば周囲に踊らされがちな立場ながらも、常に地に足を着けている。そんな2年生に、監督の村田浩明は「織田は自分を持っていますよね」と目を細める。

【次ページ】 過去との比較…「向き合わせるほかありません」

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