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「朗希を獲得できたら一段上のチームになれる」ドジャースのミゲル・ロハスが“背番号11”を佐々木朗希に譲ったワケ「新しい11番の歴史ができる」
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及川彩子Ayako Oikawa
photograph byGetty Images
posted2025/03/19 11:04
ドジャースで自身がつけていた背番号11を佐々木朗希(右)に譲ったミゲル・ロハス(左)が、その理由を明かした
「自分はチームのためにできることは何でもやる」
チームの勝利のためには自己犠牲も厭わない。それがミゲル・ロハスという選手だ。
「初心に戻って、72番を選んだんだ」
家族への思いが詰まった11番に未練はない。自身の中で一区切りついているからだ。
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「11番をつけてワールドシリーズを制したことを本当に誇りに思う」
メジャーリーガーに憧れて暗くなるまで白球を追いかけ、17歳でそのチャンスを掴んだ。8年間のマイナー生活を経てメジャーに上がってもなかなか目立った成績をあげることはできなかった。
2023年にマーリンズから古巣ドジャースに移籍し、昨年、35歳でドジャースの一員としてワールドチャンピオンの座に輝いた。
「祖父と母にワールドシリーズ制覇の瞬間を見てほしかった。でも空から見てくれていると思う。祖父はラム酒が好きだったから、リクライニングチェアに座ってカクテル片手に応援してくれていたんじゃないかな」
そう話すロハスの目にはうっすらと涙が浮かんでいた。少し間を置いて、佐々木への思いを語る。
「ドジャースの11番には色々な歴史があるんだ。ドミニカ共和国出身でリーグ屈指の代打だったマニー・モタ選手も11番で、春季キャンプにも来ていて、朗希と3人で『歴代11番』の写真撮影をしたよ。僕は11番をつけてワールドシリーズを制した。だから次は朗希が新たな11番として歴史を作る番だ」
ロハスは今季から72番に変更したが、これは2014年にドジャースでメジャー昇格時にランダムに渡された番号だ。
「初心に戻って頑張りたい、そんな気持ちから72番を選んだんだ」
新たに11番をつけるルーキー、それを温かく応援するメジャー12年目のロハスのシーズンが開幕した。


