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「朗希を獲得できたら一段上のチームになれる」ドジャースのミゲル・ロハスが“背番号11”を佐々木朗希に譲ったワケ「新しい11番の歴史ができる」 

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及川彩子

及川彩子Ayako Oikawa

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posted2025/03/19 11:04

「朗希を獲得できたら一段上のチームになれる」ドジャースのミゲル・ロハスが“背番号11”を佐々木朗希に譲ったワケ「新しい11番の歴史ができる」<Number Web> photograph by Getty Images

ドジャースで自身がつけていた背番号11を佐々木朗希(右)に譲ったミゲル・ロハス(左)が、その理由を明かした

 なかなかチャンスが回って来なくても、負けが続く試合が続いても、いつも誰よりも先にグラウンドに出て練習をするのは、家族や患者さんのために日々懸命に働く母親の影響だ。

「母は乳がんが見つかった時はすでに病気が進行していて手遅れだった。ずっと働き詰めの生活で自分のやりたいことも諦める生活だった。だから夢を叶えた自分は母に恥じないように頑張らないといけないんだ」

 病気が発覚後、歌うことが好きだったノーマさんのために音楽スタジオを借りてレコーディングの機会を作るなど全力で親孝行をしたというエピソードもある。

佐々木朗希に11番を譲った理由は?

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「アンドリュー・フリードマン(編成本部長)から朗希の獲得を検討していて、オファーの際に背番号『11』も提案したいので申し訳ないが譲ってもらえないかと言われたんだ。そんなの断るわけないだろう。だって朗希を獲得できたら、僕たちはもう一段上のレベルのチームになれる。僕がチームにできる最大の貢献が背番号を譲ることだと思ったんだ」

 フリードマン編成本部長には迷うことなく「オフコース(もちろん)」と答えた。

「朗希にとって11番が特別で、それを背中につけることで安心して自信を持ってマウンドに立てるならメジャーの先輩としてうれしいし、僕がつけていた11番を朗希がこれから何年も身につけてくれたら、新しい11番の歴史ができると思うんだ」

 年長選手が若い選手に背番号を譲ることはさほど多くないが、チーム優先のロハスはこれを受け入れた。

 余談になるが昨季、ベッツが遊撃手にコンバートされ、ロハスとポジション争いをしていた時のことを思い出した。試合前にベッツとロハスが交互にノックを受けていたが、ベッツはしっくりこないという表情でコーチに指導を仰いだ。ロハスも2人のやりとりに参加すると、会話は一気にヒートアップした。

「体をこう動かさないとダメなんだ」「捕ってからはこう動くんだ」

 ロハスが身振り手振りを使いながら説明すると、ベッツも負けじと言い返す。

 白熱した会話を目の前で聞きながら「ロハスはなぜ同じポジションのベッツを助けているんだろう」という思いもよぎった。が、ロハスの答えは明快だった。

【次ページ】 「初心に戻って、72番を選んだんだ」

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