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中日“チームの情報漏らした説”で二軍コーチに降格…落合博満監督1年目に起きていた事件「なぜ俺が一軍から外れたのか」鈴木孝政がいま明かす“真相”
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岡野誠Makoto Okano
photograph byHideki Sugiyama
posted2025/03/14 11:01

2003年オフ、落合博満は中日の監督要請を受諾すると、鈴木孝政にコーチの依頼をした
「『誰と誰ができてます』みたいな感じで伝えて、落合さんが交代を決めてました。ローテーションはみんな(落合監督、森繁和コーチ)で考えてましたね」
二軍コーチに“左遷”…なぜ?
中日は開幕3連勝の後に足踏みをしたが、5月終了時点で首位に。飛ぶボールの影響で打高投低の中、リーグ1位の防御率を誇っていた。だが、6月13日、秋田でのヤクルト戦後、落合監督は孝政に二軍投手コーチへの配置転換を言い渡した。
「『離れてもらうから』と言われました。理由は、『故障者や(遠征に帯同しない先発投手の)残留組を見てくれ』でしたね。でも、本当は違うと思う。だって、俺は二軍の試合でベンチに入っていたし、遠征にも行ったから。普通の二軍コーチでしたよ。なぜ一軍から外したのか、落合さんに聞いてみたいですよね」
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YouTube『落合博満のオレ流チャンネル』(2022年11月23日配信)で、落合は就任1年目のコーチ陣の名前を挙げた後、こう話している。
〈チームのあり方として情報管理っていうのは一番重要課題だったんでね。それを漏らしてもらいたくないなっていう風なものがあったんだけども、中には漏らす人もいてね〉
投手コーチの森繁和は著書『参謀』(2012年4月発行/講談社)の中で綴っている。
〈最初のシーズン、落合監督からコメントをもらえなかった、いや翌日の先発を教えてもらえなかった親会社の担当記者が私のところによく聞きにきた。
「先発ピッチャーこれで行くんですか?」
答えは決まっている。
「なんで俺が、おまえに教えなきゃいけないの?」〉
〈情報が漏れたなと感じた場合は、絶対にそのルートを調べ上げる。情報を漏らしがちで信用できなくなったコーチは、二軍に落としてしまうなど配置転換したりして、シーズンオフには辞めてもらったりすることが多かったのだ。
そして、そういうコーチはどうしても、球団上層部や、名古屋にしがらみのあるコーチ、特に中日OBに多くなってしまう〉
情報漏えい説…真相は?
2人とも直接の言及はしていない。ただ、文脈からして孝政が漏洩したと思われる発言になっている。真相はどうか。
――(記者に)先発を教えてたんじゃないかと言われてますが。
〈つづく〉
