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オリンピックPRESSBACK NUMBER
“日本記録を連発”の田中希実が楽しむ自分へのご褒美とは…世界を転戦する“ノマドランナー”が語る一番好きな国「自分の居場所は世界各国にある」
text by

及川彩子Ayako Oikawa
photograph byShizuka Minami
posted2025/03/03 11:04
米国での室内大会で4試合連続で日本記録を樹立した田中希実(25歳)。世界を転戦する理由を明かした
ツアーを戦うレギュラーメンバー48選手中、アジア出身選手は田中だけだ。
2022年オレゴン世界陸上以降、積極的に海外を転戦してきた。勝手がわからず戸惑ったり、ストレスを感じることも多かったが、最近は顔見知りの選手たちも増えて笑顔で挨拶を交わす仲になった。
今年はもう一歩踏み込んだ関係性を築いてみたいと思っている。
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グランドスラムに出場予定のオーストラリアのジェシカ・ハル選手(パリ五輪1500m銀メダル、自己ベスト3分50秒83)もその一人だ。
「ハル選手は昨年急に伸びたのですが、練習の中で自信をつけてそれをレースで実践できるようになったのか。練習は今まで通りだったのにレースで引っかかって自信がついてどのレースでも行けるようになったのか。急に伸びたきっかけを聞いてみたいです」
グランドスラムのファイナル後にやりたいこと
自分一人で自問自答するのではなく、成長を続けたり、挫折や怪我を乗り越えた選手たちから学び、自身の飛躍のきっかけにしたいと考える。
海外遠征を積むことで田中の視野は年々広がってきている。
長距離2種目を走るグランドスラムはかなり過酷な挑戦になるが、ファイナル後に田中はやりたいことがある。
「4試合を一緒に戦った48選手全員で写真を撮りたいです。混成競技の選手たちが試合後に皆でウィニングランをして写真を撮っているのが楽しそうだなといつも思っていて。戦い抜いた証を作れたらいいなと思いますし、陸上ファンの皆さんに自分を通して海外選手を知ってほしいと思っています」
今季の田中のトラック外での挑戦にも注目していきたい。
<前編から続く>

