「もとは官僚志望」「高校は偏差値75の進学校」大阪国際女子マラソンで“日本歴代10位”…実業団1年目23歳の新ヒロイン「超異色な履歴書」の中身 

「4年生になった時にホノルルマラソンを完走するのを目標に走るサークルです。和気あいあいとした感じで、活動は週に1回、皇居を2周するのがメインでした」

　そんなサークル活動をベースに、たまに気の向くままに家の周りをジョグする日々。登山サークルにも加入し、時には山登りも満喫する――そんな生活は、2年ほど続いた。

　ここまでは絵にかいたようなファンランナーの在り方だ。このわずか4年後に日本代表クラスの結果を出すとは到底、思えない流れである。

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　転機となったのは、大学2年時のサークルの先輩からの誘いだった。

「サークルにちょっと変わった先輩がいて。全然ガチなサークルじゃないのに、自主的に各地のトラックレースの記録会に出たりとか、結構本格的に走っている方がいたんです。その人から誘われる形で、ホ完の活動以外にも少しずつ走るようになって。記録会とかにも参加するようになったんです」

　もともと走るのは嫌いではないうえ、適性もあった。2年時の2021年11月には富士山マラソンで初めて42.195kmも完走した。タイムは3時間29分12秒。その後も、走れば走るだけ記録は伸びた。

　そうなると、シンプルにそれが楽しくなった。ホ完の活動には積極的に参加し続けながら、毎朝近くの陸上競技場で10kmほど走ってから大学に通うようになった。ジョギングだけとはいえ、気づけば毎日、20kmを超えるような距離を走るようになっていた。ケガさえなければそもそも全国区のポテンシャルが、少しずつ花開いていった。

「どこまで伸ばせる？」変化した競技との向き合い方

　すると、小林の中でも競技への向き合い方に変化が生まれた。

「どこまで伸ばせるんだろう？」

　そんな思いが心の中に湧いてきた。高校や大学で、陸上を主軸にした道を選択しなかったことへの小さな後悔にも気づいた。それでもここまでのキャリアを考えれば、いまから本格的に競技を志すのは、あまりに常識外れなのも分かっていた。

　やり残した気持ちを抱えつつ、それでも「楽しく」走っていた小林の運命を変える決定打となったのは、大学3年時の就職活動で行ったインターンでの経験だった。

＜次回へつづく＞

#3に続く

サークル出身の経歴は「マイナスに取られることが多かったです」大阪国際女子マラソンで衝撃の日本人1位…23歳新ヒロインが実業団入社までの波乱万丈

#3

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#2

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#1

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