熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
「マツキは将来の日本代表主力、ミトマは規格外」ディエゴ・オリヴェイラ34歳のFC東京&日本愛は引退後もアツい「こんな敬意を払う国は…」
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沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byEtsuo Hara/Getty Images
posted2025/03/03 18:39
長年にわたってJリーグの舞台で戦ったディエゴ・オリヴェイラ。彼が感じた日本人選手に対する率直な評価とは
「さっき(※第3回参照)も言ったように、足りないものはほとんどない。ただ、長年優勝できなかったけれど近年、続けざまにタイトルを獲得した川崎F、神戸などを見ると、アカデミーでの地道な選手育成、効果的な補強、クラブ生え抜きの強いリーダーが必要だと思う。一度優勝したらそれが大きな財産となり、クラブに関係するすべての人が一層モチベーションを高め、そのことで続けて優勝できるようになるんじゃないかな」
――やはりこの友人からの質問に「どうしてFC東京はJリーグの勝負所で、残留争い真っ只中の下位チームに勝ち点を失うことが多いのか」というものがあります。
「痛い所を突かれたね(苦笑)。確かに、2019年だって下位チームへの取りこぼしがなければ優勝できていたはず。このあたりが、クラブ全体の経験値、という目に見えない要素なのだろう。何度も優勝したことがあるクラブはそういう勝負所を熟知しており、そのようなミスはまず犯さないからね」
相手をリスペクトするのは日本くらいじゃないかな
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――そう直言するのも、FC東京への愛情を感じます(笑)。とはいえ第1回でも触れた現役ラストの試合後には、クラブが引退セレモニーを催し、あなたも感謝の言葉を述べた。FC東京の関係者とファンはもちろんのこと、この日の対戦相手のセレッソ大阪、日本で最初にプレーした柏レイソルの関係者とファンにも丁寧に礼を述べていたのが、いかにもあなたらしかったです。
「日本では、自分がプレーしたクラブのみならず、対戦相手からも常にリスペクトしてもらえた。フットボールの世界では、ライバル関係にあるクラブ、選手、ファンがいがみ合うことが少なくない。相手のことをこれほどきちんとリスペクトする国は、世界でも日本くらいじゃないかな」
――チームメイトから胴上げもされました。
「胴上げされたのは、生まれて初めて。驚いたし、少し怖かったけれど、嬉しかった」
家族も参加のセレモニーで「大変な幸せ者だな」
――セレモニーには、家族も参加して息子から花束を受け取って、号泣していました(笑)。
「母マリ、妻フェルナンダ、5歳の息子ニコラスも参加し、クラブ関係者とファンの心遣いに皆、感激していた。自分は大変な幸せ者だな、と思った」
なおこのやり取りを横で聞いていたマリさんは、「私は日本へ頻繁に行っていて、あの時が6度目の訪問だったと思います。それまでにも息子が日本の人々から愛されているのを知ってとても嬉しく思っていたのですが、あの日のことは生涯忘れられません。私以外の家族も全員、日本を何度も訪れていますが、皆、日本と日本人が大好きです」と語ってくれた。
――最後に、今後の予定は?

