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「クボは2回目だぞ!」マドリー名将が不服そうだが久保建英は「あんなのファールじゃないだろ?」とばかりに…“名門の圧vsソシエダの熱”を激写
posted2025/03/04 17:34

古巣レアル・マドリーとのスペイン国王杯準決勝に臨んだ久保建英。覇気を見せた
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中島大介Daisuke Nakashima
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Daisuke Nakashima
2月26日に行われたスペイン国王杯準決勝、久保建英が所属するレアル・ソシエダは、ホームスタジアムのレアレ・アレーナでレアル・マドリーと対戦。ホームの熱狂的な後押しを受けたソシエダが現世界王者を圧倒する時間帯も多くあったが、得点を奪うことはできず0-1と惜敗でファーストラウンドを終えた。その中で久保の印象的な振る舞いを写真にとらえるなど、撮影に赴いた。
特に前半のスタジアムの雰囲気は特筆もので、残念ながら写真では写しきれない、それでも現地にいなければ感じられなかった――選手とスタジアムを埋め尽くすサポーターの相乗効果が生み出す熱狂があった。
久保らが乗ったバスの到着とともに発煙筒が
国王杯では、準決勝のみがホームアンドアウェイ方式で戦われる。抽選の結果、ソシエダは1試合目をホームで戦うことになった。一般的には、2試合目をホームで戦うことがアドバンテージになると捉えられる。だが、サポーターの後押しを受けられる1試合目で先勝を奪えば、心理的にも戦術的にも優位な状況でアウェイの戦いに臨むことができる。
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また相手は、リーグ優勝争いに加えCL連覇の可能性も抱えるため、必然的に国王杯のプライオリティを下げざるを得ない。ホームでの先勝は、ソシエダにとってかけがえのないアドバンテージになる。
そのための環境もしっかりと整っていた。サッカーが文化として根付いているがゆえだっただろうか、平日21時半キックオフという——翌日の生活を考えるとかなり遅い開催となったが、チケットは売り切れ。この試合の大事さを感じさせていた。またキックオフの2時間前には、スタジアムへの通りを埋めた多くのサポーターが選手バスの到着を待ち構え、ボルテージを高めていった。そして90分前、バスの到着と共に発煙筒が焚かれて歓声が上がり、1度目のピークを迎える。
両チームの先発リストにも、やはりモチベーションの違いを見ることはできた。サブGKを先発させ、またフィールドメンバーにもローテーションを感じさせる構成のマドリーに対して、ホームチームは久保、スビメンディを筆頭にベストメンバーで臨んでいる。
序盤からガンガン行く…久保のシュートから見えた覇気
キックオフと同時に、ソシエダは前線からプレッシングをかけ、対する欧州王者も、慌てることなくGKまでを使いボールを回しプレッシャーを回避する展開となった。