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JリーグPRESSBACK NUMBER
「お金で選手を集めるのではなく…」RB大宮アルディージャが“大金を投じた”意外なものとは? クロップが言った「アンフィールドを思い出したよ」
text by

戸塚啓Kei Totsuka
photograph byMasashi Hara
posted2025/02/21 11:46

2月15日、RB大宮アルディージャの開幕戦に訪れたユルゲン・クロップ。劇的な勝利に「アンフィールドを思い出したよ」とご満悦だった
クロップが言った「アンフィールドを思い出したよ」
クロップは気さくに声をかけている。山形戦でポスト直撃のシュートを放ったサイドアタッカーの泉柊椰は、「もっと練習しないとダメだよって、笑いながら言われました」と、こちらも笑顔を浮かべた。後半アディショナルタイムに決勝点を決めたFW藤井一志は、長く采配を振ったリバプールのホームスタジアムの記憶がよみがえったと、クロップから明かされている。
「いつかのアンフィールドを思い出したよ、と。テレビでずっと観ていた人にそういうふうに言ってもらえて、すごく不思議な感じでした」
クロップはマリオ・ゴメスとともにアカデミーが拠点とする施設も訪れ、未来のJリーガーたちを激励した。アカデミー出身のDF浦上仁騎は、「信じられないですよね。選手たちは嬉しかったでしょうねえ」と自身も嬉しそうに話す。「レッドブルがついたということで、とんでもないことが起こるんだなと改めて感じました」と、二度三度と頷いた。
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RB大宮となったことによる変化はまだある。ニューヨーク・レッドブルズのリザーブチームに、アカデミーから昇格した18歳の磯崎麻玖が練習参加しているのだ。
RB大宮のロードマップについて、マリオ・ゴメスはこう話す。
「J2で10年もプレーする気持ちはない。ステップ・バイ・ステップで、できるだけ早くJ1へ昇格して、アジアチャンピオンズリーグにも出られるようにしたい。そのためにも、選手の育成を大切にしていきます」
トップチームの強化とそのための選手育成を並行させ、アカデミーと女子チームVENTUSの充実までも視野に入れる。RB大宮は変化のスピードを少しずつ上げて、日本サッカー界で独自の立ち位置を確立していくのだろう。
<前編から続く>
