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JリーグPRESSBACK NUMBER
「お金で選手を集めるのではなく…」RB大宮アルディージャが“大金を投じた”意外なものとは? クロップが言った「アンフィールドを思い出したよ」
text by

戸塚啓Kei Totsuka
photograph byMasashi Hara
posted2025/02/21 11:46

2月15日、RB大宮アルディージャの開幕戦に訪れたユルゲン・クロップ。劇的な勝利に「アンフィールドを思い出したよ」とご満悦だった
「自分たちの立ち位置は決まっている。ボールを持ってポゼッションしまくるわけでもなく、ドン引きしてカウンターを狙うわけでもない。我々はRBなので、ボールを奪いにいって必要なら早く攻めるし、必要ならしっかりボールを握る」
長澤監督はヨーロッパのトレンドを継続的にフォローしており、RBライプツィヒの映像をミーティングで使用していた。ポゼッションか、カウンターかという二者択一ではない「第3の立ち位置」は、現代サッカーのトレンドでもある。「方向性としてはRBの一員になる前から一致していたので、余計に目指すものがはっきりしたかな、というのはあります。やっていくことは変わりません」と言う。
補強を含めたチーム編成は、知名度や実績を拠りどころにしない。「金満」の印象を与えない。
イベント予算は数十倍に…レッドブルのブランド戦略
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その一方で、クラブのブランド価値向上には意欲的だ。
1月に行なったキックオフイベントには、破格のスケールで行われた。前年の新体制発表記者会見は数十万円の予算規模だったが、その数十倍の金額が投じられている。
ホームのNACK5スタジアム大宮で迎えた開幕節には、スタジアムDJが試合前の熱を高め、チームバスがレッドブル・ミニに先導されてスタジアム入りした。サッカーの枠にとらわれることなく、クラブの魅力を発信するためには予算を惜しまない。それが、レッドブルのスタンスなのである。
クロップは開幕節の翌日に、西大宮の練習場へ足を運んだ。選手ともコミュニケーションをとっている。34歳のCB濱田水輝が言う。
「短い挨拶程度でしたが、『もっとも大事なのは、すべてが終わったときに自分たちがやってきたことを誇れるかどうかだ』と。どこかで聞いたことがあるし、当たり前の話だけど、クロップに言われると違いますね」と笑みをこぼした。