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「最初はBチームの練習にもつけなくて…」東大受験も勧められた早大“一般入試の星”が「5000m15分台→3度の箱根駅伝出場」にたどり着いたウラ話

text by

和田悟志Satoshi Wada

photograph by(L)Yuki Suenaga、(R)NumberWeb

posted2025/02/23 11:01

箱根駅伝で3度10区を走った早大4年の菅野雄太。高校時代は学業成績も優秀で、悩んだ末に東大も受験したという

　私立と国公立とでは受験に必要な科目も異なる。菅野は早稲田の受験が終わるまではそこに全力を注いでいたのだから、東大の不合格は仕方なかったのかもしれない。

　ちなみに、もしも東大に合格していたら菅野はどうしていたのだろうか。そんな疑問をぶつけると菅野の答えは明白だった。

「それでも早稲田に行ったと思います。受験の段階ではもう、早稲田で走ることしか考えていなかったので」

　早稲田で競技を続けるという意志は固く揺るぎはなかった。両親も「陸上をやりたいなら早稲田に行けばいい」と背中を押してくれていたという。

　こうして晴れて早稲田大学への進学が決まった。

　早稲田への進路が決まると、菅野は3月頭から競走部の練習に参加した。

　今でこそ5000mで15分00秒という入部基準が設けられているが、当時は入部基準がなかったこともあって、15分6秒がベストの菅野も受け入れてもらえた。

　また、スポーツ推薦ではない菅野がこれほど早く大学の練習に合流できたのは、西武文理高から早大に進んだOBに、2019年の第95回箱根駅伝で7区を走った真柄光佑がいたこともあって、高校の顧問が当時の相楽豊駅伝監督に話をつないでくれたからだった。

　実家から練習拠点の所沢キャンパスまでは12kmほど。当初は自転車で通うつもりだった。だが、タイミング良く部屋が空いていたこともあって競走部の寮に入ることもできた。

　しかし、意気揚々と陸上に取り組むはずが、現実はなかなか厳しいものだった。

　受験勉強に専念していた期間も週に1回は8～10km程度はジョグをしていたが、その間のブランクはあまりにも大きかった。

「ちょっと走り込むと脚に違和感が出ちゃったりして、うまくいかなかったですね」

　最初はBチームの練習にさえ付いていくことができなかった。

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