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「M-1が終わって“国外逃亡するぞ!”みたいな(笑)」オードリー若林&春日が「アメリカ最大の祭典」で出会った“ワクワクするバカ”たちのウラ話 

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一野洋

一野洋Hiroshi Ichino

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photograph byHiroshi Ichino

posted2025/02/18 11:02

「M-1が終わって“国外逃亡するぞ!”みたいな(笑)」オードリー若林&春日が「アメリカ最大の祭典」で出会った“ワクワクするバカ”たちのウラ話<Number Web> photograph by Hiroshi Ichino

5年ぶりのスーパーボウル現地取材に赴いたオードリーの2人。若林はM-1の審査員に抜擢されるなど波乱の年末からの「国外逃亡」

 加えて2月に開催された前述の東京ドームでのライブ「オードリーのオールナイトニッポン in 東京ドーム」が大成功を収めたこともあり、今大会も観客の熱気に飲まれなかったという。

「今回のスーパーボウルの観客は約6万5000人。そう考えると我々の東京ドームに近いですね。我々は5万3000人でしたから! そういう意味では、我々も東京ドームを経ているので6万5000人のファンを前にしても『こんなもんか』と思いましたよ」

 伝説的なイベントを成功させた自信がスーパーボウルの熱狂の中でも冷静さを保つ要因になっていたのかもしれない。

芸人はやっぱり「苦労人」に目が行く…⁉

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 試合はチーフスが大差をつけられたまま進んだが、若林が印象に残った瞬間があったという。それがWRを務めるデアンドレ・ホプキンスのタッチダウンキャッチだ。

「ホプキンスはNFLに入って12年。ずっとQBに恵まれていたわけじゃない。それでも捕球能力がすごいから数字を残し続けた。年齢とともに瞬発力が落ちても、ルートやコツで補っている」

 その技術の結晶とも言えるプレーを、スーパーボウルの舞台で目の当たりにした。12年間、幾度もチームを渡り歩きながら、それでも信じてキャッチを続けた男の執念が報われた瞬間だった。

 若林は感慨深げに、言葉を絞り出した。

「男の仕事の仕方を学びました。匠のキャッチングだったな……」

 そう語る若林の目には、確かな感動が宿っていた。どこかで自分の芸人人生と重ね合わせる部分があったのだろうか。

 5年前のスーパーボウルとは、オードリー自身の立場が大きく変わっていた。

 若林は M-1審査員という新たな挑戦を経験した。春日もオードリーとして東京ドームの成功を経験した。それでも2人にとってスーパーボウルの特別さは変わらないという。

「やっぱり、このイベントはすごい」

 2人は声をそろえる。来年はサンフランシスコでの開催。もしオードリーがサンフランシスコに行くとなれば、2016年の第50回大会以来となる。「デンバー・ブロンコスのペイトン・マニングが優勝してうちの親父が泣いていたのを覚えている」と若林は9年前を懐かしむ。

 次のスーパーボウルは、果たしてどんな景色になるのか。2人はすでに、その瞬間を思い描いていた。

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