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「『SASUKE』はそんなに燃えないんです」現代日本“最強のニンジャ”が語るオブスタクルスポーツの現在「アメリカには800以上のニンジャ・ジムがある」

posted2025/12/25 11:06

 
「『SASUKE』はそんなに燃えないんです」現代日本“最強のニンジャ”が語るオブスタクルスポーツの現在「アメリカには800以上のニンジャ・ジムがある」<Number Web> photograph by Tadashi Hosoda

日本のオブスタクルスポーツの第一人者である千葉大1年の山本遼平。アメリカではプロのニンジャ選手も存在するなどマーケットも大きい

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雨宮圭吾

雨宮圭吾Keigo Amemiya

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Tadashi Hosoda

 ロス五輪では近代五種の一種目にも選出された「オブスタクルスポーツ」。アメリカのテレビ番組『ニンジャ・ウォリアー』から始まったスポーツだが、日本の第一人者は千葉にいた。果たして「現代日本最強のニンジャ」はいかにそこに辿り着いたのか。ナゾに包まれた新競技の話を聞いた。《NumberWebインタビュー全3回の3回目/最初から読む》

 日本のオブスタクルスポーツの第一人者である千葉大学1年生の山本遼平。インタビューが進む中では、こんな言葉もこぼしていた。

「みんなが知っているような、目立つ競技でやっていきたいという気持ちもなかったわけではありません」

素朴な疑問…なぜ『SASUKE』ではダメだった?

 となると、疑問に思うのは『SASUKE』じゃダメだったのかということだ。ニンジャの源流であり、パルクールやボルダリングと比べても、世間的にアピールするだけならばこれ以上のコンテンツはない。

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 SASUKEにはチャレンジしないんですかと聞いてみると、山本は「そうですね、うーん」と唸ってから、困ったように言うのだった。

「スポーツとして競技としてニンジャをやっていると、SASUKEはそんなに燃えてやれない部分があるんです。例えば予選。オブスタクルスポーツの予選なら実際にオブスタクルをやってコースをうまく走れたら突破できる。でも、SASUKEの予選はずっと腕立て伏せをしたりという正直関係のない動きばかりで競うので……。SASUKEで見るような動きはおもしろいし、似たような障害物もたくさんあるのでやりはします。でも、最後の舞台に辿り着くまでの過程を考えると、そちらに力を入れようとはならないんです」

【次ページ】 『SASUKE』はあくまでもエンターテイメント

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