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「ニンジャの世界って…幅広い」世界選手権で銅メダル獲得…“日本最強の忍者”は千葉にいた? ロス五輪にも採用「オブスタクルスポーツ」のナゾを追う
posted2025/12/25 11:03
今年のオブスタクル・コース・レーシング(OCR)100m日本選手権で連覇を達成した山本遼平。OCRを含めたオブスタクル競技の日本トップ選手だ
text by

雨宮圭吾Keigo Amemiya
photograph by
Tadashi Hosoda
ロス五輪では近代五種の一種目にも選出された「オブスタクルスポーツ」。アメリカのテレビ番組『ニンジャ・ウォリアー』から始まったスポーツだが、日本の第一人者は千葉にいた。果たして「現代日本最強のニンジャ」はいかにそこに辿り着いたのか。ナゾに包まれた新競技の話を聞いた。《NumberWebインタビュー全3回の1回目/つづきを読む》
現代のニンジャの修練の地は、伊賀でもなく甲賀でもなく、千葉市内のちょっとした山道を分け入った空き地にあった。
パッと通りがかっただけではとてもそうだとはわからない。建設現場の足場がそのまま組み残されたかのような無骨な鉄パイプの森。よく見ると「FORT OF NINJA(ニンジャの要塞)」という看板がぶら下がっている。
「材料はだいたいホームセンターで買ってます。このパイプやクランプも全然特別なものではなくて一般用なんです。最長のものは4mかな。4mだったらトラックを借りてなんとか運んでこられるんで」
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要塞の主である男は言った。
いたって普通の青年。というか、理知的な話し方と穏やかな物腰は、むしろ好青年と言っていい部類だ。忍びの者の怪しさはない。変装術を用いているのかと疑ってみるが、そういうことでもなさそうだ。
「オブスタクルスポーツ」ってナンだ!?
山本遼平、19歳。まっすぐなまなざしが印象的な彼は国立千葉大に通う大学1年生であり、オブスタクルスポーツの日本記録保持者でもある。
「オブスタクルスポーツ」
この新興競技の名前を聞いてすぐに理解できる人はどれぐらいいるだろうか。

