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「みうらのだいすけー」宮司が祝詞…DeNAキャンプ初日、レアな“安全祈願祭”をナマで見た「“ぱつんぱつん”牧秀悟はパワーアップの予感」
posted2025/02/10 17:00

キャンプ地沖縄で行なわれたパレードで朗らかな表情の佐野恵太と筒香嘉智
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広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Kou Hiroo
「バケハブーム」でメディアに配られたのは…
2月1日は、プロ野球の正月、春季キャンプの開幕である。筆者はここ10年、毎年春季キャンプに行っている。12球団の一軍、二軍のキャンプ地を回ってきた。今年は沖縄県のキャンプ地を回ることにしている。
盛り上がっているキャンプがいい――ということで2024年、下剋上日本一に輝いた横浜DeNAベイスターズの一軍キャンプに行くことにした。
一軍は沖縄県宜野湾市で行われている。例年のように受付でプレスパスを受け取る。多くの球団ではメディアには、プレスパスと共に一般のファンと区別がつくようにプレス用のキャップが支給される。メディアだけのオリジナルデザインであり、毎年変わるから、筆者などは楽しみにしているのだが……今年はベースボールキャップではなかった。
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「ええ、今年からバケットハットにしたんです。いいでしょ!」
こう女性の広報担当者は笑顔で言った。
まるで考古学者が発掘現場で被るような、絵描きがスケッチをするときに被るような――集まったメディアの面々も、ほとんどキャップを被っていない。野球はベースボールキャップという常識が覆されている感じだ。筆者は知らなかったが、世間では「バケハブーム」というのがあったのだそうな。むくつけき野球メディアを、有無を言わさず「トレンド」に引き込んでいくあたり、さすがといったところか。
「9時から安全祈願祭をします」
ただ、初日はあいにくの雨である。実は2月の沖縄は割と雨が多いのだ、しかしこの時期の雨は、霧吹きで吹いたような細かい雨だ。メイン球場の「ユニオンですからスタジアム宜野湾」は雨で使用できず。急遽、室内練習場でチームは始動することになった。
それも含めて、キャンプ初日はメニュー(スケジュール)の発表が遅れた。メニュー表を貰うために球場の受付付近で待っていると、白いスーツの女性が出てきて、にこやかに来賓に挨拶をしている。南場智子オーナーだ。
昨年は、女性初の「日本一オーナー」になった。野球が心底好きで、ベイスターズの応援でも先頭に立ってきたが、ここ沖縄でも「チームの顔」として、ファンを出迎えているのだ。