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「ユウキの評価は“A”ではなく“B”だが…」河村勇輝がNBA記者の心を揺さぶった“12分間”「3P成功率が上がれば今後が本当に楽しみ」
text by

杉浦大介Daisuke Sugiura
photograph byAP/AFLO
posted2025/02/06 17:02
河村勇輝(23歳)のここまでの歩みを、グリズリーズの番記者はどう評価しているのだろうか
Gリーグではブルー戦のように勝つゲームばかりではなく、ユウキが出場した15戦で実はハッスルは6勝9敗と負け越している。ただ、Gリーグの最大の目的は選手を成長させることだ。ハッスルでもそれこそが最も重要視されるわけで、チームはそれぞれの選手に課題を与えてプレーさせている。
ユウキの場合、すでに証明されているパサーとしての能力を誇示するだけではなく、シューターとして成長するところを見せて欲しいと期待されている。一方、すでにシューターとして定評があるキャム・スペンサーは、プレーメイキング能力を発展させてほしいと考えられている。それぞれが課題を克服し、グリズリーズでは自身の長所を発揮して欲しいというのが考え方のプロセスだ。
例を挙げると、GG・ジャクソンのGリーグでの復帰初戦はオーバータイム(OT=延長戦)にもつれ込み、そこでグリズリーズのフロントの間では彼をOTでプレーさせるかどうかが議論になった。これがグリズリーズのシーズン中のゲームであれば、主力選手はプレーさせるに決まっている。結局、GGはプレーしたわけだが、そんな話が話題になることがハッスルの役割を物語っていると思う。
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つまり、ハッスルでの勝敗はそこまで気にされていないし、ユウキの司令塔としての評価に影響しているわけではない。自身の最大の課題であるシュート力に磨きをかけながら、先ほども言ったように、他の選手たちの力も引き出している。それらを通じて、ユウキはオーガニゼーションから一定以上の貢献を認められていることは間違いない。《後編に続く》
◇後編はコール記者が河村勇輝の未来像を重ねる選手の名前や、チームメイトに愛される“ユウキ”の微笑ましいエピソードを明かしている。

