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「カイシュウは内気だが…」ドイツ人番記者が聞いたMF佐野海舟ホンネ評価「消されたムシアラは夢でうなされたのでは」“遠藤航級”への課題は?
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ミヒャエル・イーベルト(『キッカー』誌マインツ担当)Michael Ebert
photograph byKiichi Matsumoto
posted2025/02/01 17:01
マインツでレギュラーを即獲得した佐野海舟。ドイツで力を伸ばした遠藤航と比較してどう見えるか
「ジャンプのタイミングやタックルの仕掛け方を見れば、彼が賢い選手だとわかる。しかもチーム戦術に関しては、ほとんどドイツ語を理解しない人とは思えないほど、きちんと把握している。困難な状況で外国に飛び込んだのに、これほどの活躍ができるなんてね。きっと頭の回転が速いのだろう」
カイシュウを笑わせるのは難しいんだ
佐野のパーソナリティーについて、ボー・ヘンリクセン監督は次のように語る。
「カイシュウを笑わせるのは難しいんだ。彼は内気なところがあるからね」
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実際、監督や同僚と打ち解けるのにも、時間を要したという。ヘンリクセン監督は佐野と中盤でコンビを組むナディーム・アミリと3人で話し合いの場を持ち、そこでようやく佐野がマインツでプレーすることに喜びを感じていると知った。
また佐野は、完璧に準備をして試合に臨むことでも知られている。
「自分に課されるタスクを考え、やるべきことをシミュレートします」と佐野は地元紙『アルゲマイネ・ツァイトゥング』に語った。
「そうすれば、落ち着いて試合に入れるし、ピッチ上で起こりうるシナリオに反応できるので」
そのために佐野は少なくとも次の対戦相手の過去3試合を観戦し、ノートを取るという。「それによって、相手だけでなく、ブンデスリーガ全体の理解も深まっています」と付け加えた。
ベストゲームはムシアラを封じたバイエルン戦
ここまでの彼のベストゲームを挙げるなら、12月14日にバイエルンをホームに迎えて2-1の勝利を収めた一戦だろう。トップ下に入った相手のキーマン、ジャマル・ムシアラを沈黙させ、金星の獲得に大きく寄与した。
「あの試合の後、ムシアラはカイシュウの夢にうなされたんじゃないかな」とジョークを言ったのは、マインツのスポーツディレクターを務めるクリスティアン・ハイデルだ。
「ムシアラのようなワールドクラスの選手が、あんなふうに試合から消されてしまうことは稀だよ。彼にとってもカイシュウのような選手と対峙するのは、なかなかないことだったと思う」
佐野があのレベルのパフォーマンスを続けていけば、ドイツ代表の同じポジションのロベルト・アンドリッヒやアンジェロ・スティラー、アレクサンダル・パブロビッチらと同等の評価を受けるようになるだろう。
