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「クボがリバプール? アーセナル??」“久保建英移籍の噂”じつはフェイクニュース説…外国人記者が一刀両断「前半戦採点は8.0。ソシエダの浮沈を」
posted2025/01/20 17:02
text by
セルヒオ・レビンスキーSergio Levinsky
photograph by
Kiichi Matsumoto
スペイン、欧州主要メディアで久保の噂はほぼない
リバプール、アトレティコ・マドリー、アーセナル──。
日本のメディアでは、久保建英の新天地の候補として、そうしたビッグクラブの名前が挙がっているようだ。しかし彼がプレーするスペインでは、名の通った信憑性のある媒体にかぎれば、そうした報道はほとんどない。
米『ニューヨーク・タイムズ』紙が保有するスポーツオンラインメディア『ジ・アスレティック』では、「アーセナルがワイドのアタッカーを欲しがっている──1月に獲得すべき選手は?」というタイトルの記事で、その候補のひとりに推されているが、あくまで執筆者の推薦という形だ。また、こちらもアメリカの雑誌『スポーツ・イラストレイテッド』の電子版は、「モハメド・サラーとの契約交渉で難航中のリバプールがタケフサ・クボに“大きな興味”を示している」と題する記事を、11月中旬にアップしているが、欧州の主要メディアにそのような論調は見当たらない。
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もちろん、かつてないほどにフェイクニュースが蔓延する現在の世界──アメリカの新政権はさらにそうしたものを増やそうとしている──では、様々な媒体やソーシャル・メディアが好きなことを書き、それを流布させる。だから何を信じるかは読み手次第となるわけだが、客観的に見れば、今のところ久保が今冬にそれらのビッグクラブに移籍する可能性は低そうに思える。
契約解除条項は約96億円…慎重に選択すべきでは
久保は昨年2月にレアル・ソシエダとの契約を更新し、2029年6月までの新契約にサインした。クラブが設定している契約解除条項は、推定6000万ユーロ(約96億6000万円)とされている。これは2022年夏にマンチェスター・シティが、アーリング・ハーランドを獲得する際にボルシア・ドルトムントに支払った額と同じで、現代の移籍市場においても高額と言える。
またリバプールにはモハメド・サラー(今季終了時までの契約についてクラブと協議中)、アトレティコにはジュリアーノ・シメオネ(チームを率いるディエゴ・シメオネ監督の息子)、アーセナルにはブカヨ・サカ(負傷離脱中)と、右ウイングに強力なライバルがいる。ビッグクラブに移籍してキャリアが暗転したケースを何度も見てきた者としては、慎重に選択すべきだと思う。それにソシエダとしても、マルティン・スビメンディが放出間近と囁かれている現在、昨夏と同様にチームの主力ふたりを同時に手放したくはないはずだ。
「クボはあれほど喋る面白い人だとは」
加えて、久保はファンやチームメイト、監督、チーム関係者から愛されている選手でもある。本人がステップアップしようと考えたとしても、少なくとも一旦は慰留されるだろう。