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「日本人専属スタッフの有無は見直すべき」あるMLB球団職員の本音…日本人メジャーリーガー活躍の裏で賛否両論「身内意識が招く誤解」とは?
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph byJIJI PRESS
posted2025/01/18 17:01
大谷翔平をはじめ、多くの日本人メジャーリーガーが活躍する今、改めて考えたい問題とは――
MLBチーム首脳が漏らした“日本人選手への本音”
日本人選手でも、すべての選手が専属医療スタッフの入団を求めたわけではない。年俸の高低に関わらず、スタッフを自費で賄い、旅費を含めてポケットマネーから捻出し、体を管理してきた選手は多くいる。また、長くセントルイスで愛された田口壮は1年目こそ球団主導で通訳をつけてもらったが、2年目からは自らの言葉でコミュニケーションをはかり、チーム内外から絶大な信頼を得た。
また、つい最近もこんなことがあった。日本人選手とのコミュニケーションで不安を感じとっていたチーム首脳がこんな言葉を漏らした。
「私は彼らと話す際に彼らの目を見ている。どこかに事実と違う表現があれば、彼らの一瞬の表情に表れると思っているからだ。そこを見逃さないようにしている」
コミュニケーションは組織において最も重要な要素だ。ガラス張りの意思疎通は、成功への道とも表現される。更には、日本人選手がひとつのチームに多く在籍する時代にもなった。多くの専属スタッフがクラブハウスで固まれば、他国の選手は何を思うのだろうか。新たなる時代へ。考えることは多いと感じている。