「イップスはこういうことか」“21歳ロッテ退団”5年後に最速151キロ…慶大大学院生・島孝明は転身で何を学んだか「トライアウトの感覚が一番…」 

　イップスで投げられないままにプロ生活を終えた島は、5年の歳月を経てトライアウトで、会心の笑みを浮かべた。それは今風でいえば「伏線回収」を果たした笑みだったのだろう。

　大学院の修士課程は2年間、今年の終わりには、進路を決める必要がある。ここからが本格的な転身と言っていいだろう。「まだぼんやりしている部分はあるんですが……」と前置きしながらも、島はこのように語った。

「野球には携わっていきたいですね。プロ野球球団に入って、現場のことを経験するのは大事なことだと思っているので、それも考えたいです。それと英語を勉強したので、MLB球団に入る機会があればぜひ考えたいと思います」

プロ野球選手会事務局長も「島はどう？」

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　筆者は、年末に日本プロ野球選手会の森忠仁事務局長に面談したが、その際に森氏は「島はどう？　うまくやっていけそうかな」と筆者に聞いてきた。

　逸材としてプロ入りしながら、イップスという形で残念な去り方をした島孝明は、球界の多くの人が、気に掛ける存在になっていた。バイオメカニクスの専門家、アナリストとして、島孝明はもっと大きな「伏線回収」を果たすのかもしれない。

〈第1回からつづく〉