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「イチローに入れなかった26人」の理由→「好き嫌い」か、それとも…野球殿堂の権威を揺るがす「投票者非公開」に問われる“プロの記者”の矜持
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byJIJI PRESS
posted2025/01/17 17:00
野球殿堂入りし、笑顔を見せるイチローさん
「5年待たなくても…」王会長の思い
通知式には出席したが、岩瀬さんらが出席した記者会見は欠席。こんな言動もまた物議を醸すかもしれないが、どんなに「人格者でない」としても、日本の野球界が生んだスペシャルなプレーヤーであることは紛れもない。
「確かに規則は規則ですが、イチローくんの場合は(引退から)5年待たなくてもよかったんじゃないかと。そういう意味では待ちに待った(殿堂入りだった)」
通知式でスピーチした王貞治ソフトバンク球団会長のこの言葉が、すべてだと思う。どんなに殿堂入りを待っている候補者がいたとしても、どんなに取材で嫌な思いをさせられたとしても、イチローさんは野球選手として特別だった。1年目に史上初の満票で殿堂入りを果たしても不思議ではなかった。
MLB殿堂入り途中経過は満票維持
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日本時間1月22日には、今度はMLBの殿堂入り投票の結果が発表される。こちらでも今年、初めて候補入りしたイチローさんが満票での殿堂入りがなるかどうかに注目が集まっている。米メディアでは投票を済ませた後、独自に投票内容の情報を公開している記者もいて、それを集計して途中経過として報じられている。それによると日本時間16日現在、推定開票率40.8%の段階では、イチローさんへの投票率は100%を維持しているのだという。
果たしてイチローさんは満票でメジャーの殿堂入りがなるのか。また満票とならなかった時には、投票しなかった記者が理由を公表するかどうか。そちらにも注目が集まるところである。