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「心が折れてしまったんです」…《ベルリンで日本歴代7位》女子マラソン“日本の次世代エース”細田あいが語る「もう無理だ」と思った意外な瞬間 

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泉秀一

泉秀一Hidekazu Izumi

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photograph byMiki Fukano

posted2025/01/26 11:01

「心が折れてしまったんです」…《ベルリンで日本歴代7位》女子マラソン“日本の次世代エース”細田あいが語る「もう無理だ」と思った意外な瞬間<Number Web> photograph by Miki Fukano

ベルリンマラソンで日本歴代7位の好記録をマークし来年の世界陸上代表を狙う細田あい(エディオン)だが、これまでの陸上人生は順風満帆ではなかった

 取材の最後、今秋に東京で開催される世界陸上の代表について尋ねた時のことだ。ベルリンで結果を出し、代表に一歩近づいたのではないかと質問すると、表情を引き締めながらこんな返答が戻ってきた。

「着実に成長してきたというのは事実だと思います。でも、意識しすぎるとダメなんです。とにかく毎日、目の前のことを頑張るしかない。私はきっと、大きな目標を立てて頑張るのが得意なタイプじゃないんだと思います。プレッシャーに押し負けちゃう。自分に圧をかけて、空回りして練習をやりすぎてしまう。MGCもその後の名古屋に向けても、『やらなきゃ』が大きくなって、体と心のバランスが取れなくなってしまいそうでした。

 だから、先を見据えて進んでいくより、今やれることをやって、反省して次のレースに向かうことを一つずつ積み重ねていくだけ。そうやって成長していくと、どんどん欲が出てくるから、最終的に五輪や世界陸上に近づいていくものだと思っています」

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 そして、こう続ける。

「メディアの人は、やっぱり目標を大きく言ってほしいですよね。そっちの方が面白いとは思うんです。もちろん 心の中には、ありますよ。でも、それを公言すると、どんどん自分が追い込まれていく気がして。だから普段はあまり意識せず、目の前のことを着実にやっていくようにしています」

「今は目標が、自分だけのものじゃない」

 目下、細田が見据えるのは世界陸上の代表権の獲得だ。

 そのためには、陸連が選考競技会に指定している大阪国際女子マラソン、東京マラソン、名古屋ウィメンズマラソンのいずれかで好成績を収めることが求められる。

 今まさに、細田はレースに向けて準備を進めている。

「昔は自分のために走っていたんですけど、今は目標が、自分だけのものじゃないんです。恩師や家族、友達や支えてくれる会社の人たちに喜んでもらいたい。だから頑張れる。プレッシャーをうまくコントロールしながら、自分のベストを尽くします」

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