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マスクの窓から野球を見ればBACK NUMBER
甲斐拓也の巨人加入は“背信行為”?「大きな戦力アップになるかは…」敏腕スカウトが疑問視するワケ「“刺せる”岸田のほうがありがたい投手も」
text by

安倍昌彦Masahiko Abe
photograph byNanae Suzuki
posted2024/12/26 11:09
FAでの巨人移籍が発表されたソフトバンクの甲斐拓也。非常に珍しい正捕手の移籍は巨人にとって吉と出るか
この元選手の元スカウトの方自身、かなり主張の強い選手だったような話しっぷりだ。
「ここ数年の甲斐は、盗塁阻止率が下がっていると聞いているし、そうなると、クイックが苦手なピッチャーなんかは、刺せる岸田(行倫)のほうがありがたいんじゃないかな」
今季のジャイアンツ、調べてみると、マスクを被ったのは岸田捕手が最多の79試合で、大城卓三捕手が45試合、小林誠司捕手41試合……主にこの3捕手を使い分けて、リーグ優勝に輝いた。
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「他のキャッチャーを控えにしてまでの、クリーンアップ級のバッティングがあれば、また話は変わってくるけど、さて、どうだろう。
甲斐が去ったソフトバンクに起こる「変化」は?
一方で、甲斐捕手が抜けたソフトバンクのほうには、どんな変化が現れそうか?
チーム防御率2.53。2位日本ハムに13.5ゲームの大差をつけて、圧倒的リーグ優勝を飾った強力投手陣。
石川柊太はロッテに移籍したものの、左右のエース・モイネロ、有原航平に、スチュワート・J、大関友久の先発陣。さらには、ヘルナンデス、藤井皓哉、オスナ、松本裕樹の無敵リリーフ陣。12球団最強の精鋭たちだ。
「それだけに、実力も自信も人一倍の選手たちですから、甲斐が抜けた途端にガタッと成績が落ちたんじゃ、無敵投手陣のプライドが許さない。今こそ、オレたちの本領発揮の時とばかりに、キバむくんじゃないかな。そうじゃなきゃ、プロじゃないでしょ。アゲンストの風が吹いた時のホークス、強いですよ。小林(誠司)が人的補償で行くのか、今年頑張っていた海野(隆司)がマスクかぶるのか知らないけど、キャッチャーはとにかく、一級品の投球をしっかり受け止めること。そこに尽きると思うけどなぁ、私は」
2010年育成ドラフト6位。
この年指名された97選手の中で、94番目に指名されたのが、楊志館高・甲斐拓也捕手だった。


