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欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
「板倉滉を警戒するぞ!」に堂安律が戦いながら感じた「誇り」…ドイツで《違いを生み出す選手》と認められつつある2人の「存在感」とは
text by
中野吉之伴Kichinosuke Nakano
photograph byGetty Images
posted2024/12/22 11:05
充実したシーズンを送る堂安と板倉の対戦が実現した第12節、フライブルク対ボルシアMG
「やっぱりうまいですよね。ちょっと外してシュート。それであのコースに打たれるというのは律のクオリティ。パスもできて、ドリブルもできて。すごく注意して僕も試合に入っていた。でもあの時間帯にあの一発を決める。決めてくれる選手がいることは大きいなと思いますね」
攻撃だけではなく、守備でのクオリティもどんどんアップしている。ボルシアMG戦では自陣CKからカウンターを受け、堂安が一人で対応しなければならないシーンがあった。
「ウイングバックやってるんで」
一つ対応を間違えて慌てて飛び込んだりしたら、あっさりと突破されて、フリーで相手にシュートを許すような場面だ。だが、堂安はギリギリのタイミングまで相手をひきつけてのタックルで見事に対応。スタジアムのファンから盛大な拍手が送られていた。
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「いや、ウイングバックやってるんで、対応できないと。そこは(守備的なポジションも)やってきた経験があったかなと。とっさに反応できたし、ディフェンスでも体が動いてます」
シュースター監督の高評価
言葉の一つ一つに自信がみなぎる。チームとしてのゲームプランがある中、戦術面で重要な役割を果たし、攻守でチームにポジティブな効果をもたらし、変化をもたらし、苦しい状況でも適切な対応をするという、まさに《違いを生み出す選手》としての活躍を見せている。チームにとってどれだけ欠かすことができない存在か。そんな堂安の成長は偶然ではない、とユリアン・シュースター監督は普段の取り組みをほめていた。
「いつでもやるべきことにフォーカスして努力するし、ディテールへのこだわりを持っている選手だ。満足することなく、さらなる成長へと常に貪欲だ。守備面で大きな成長を遂げ、正しいタイミングでゴールを狙うプレーが身についてきている。それに自身のプレーだけではなく、味方選手をうまく生かすこともできているのも大きい」
評価も序列ももっと上へ
第14節ヴォルフスブルク戦でも鋭いシュートでゴールを脅かし、また精度の高いクロスでオーストリア代表FWミヒャエル・グレゴリッチのゴールをアシスト。14節終了時で5ゴール2アシストという数字だけではなく、ドイツの専門誌の平均採点でもチームトップの評価を受けている。
世間からの評価は上がる一方だし、チーム内の序列も上の立場になってきている。もっと上へ、もっと先へ。堂安の情熱が枯れることはない。まずは今季、フライブルクを再び欧州の舞台へ導くさらなる活躍を期待したい。