箱根駅伝PRESSBACK NUMBER
「箱根駅伝は杓子定規では通用しない」立教大“予選会トップ”“全日本シード獲得”に続くサプライズへ、選考レースを終えて「腕の見せ所」とは?
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byYuki Suenaga
posted2024/12/03 11:00
エースと目される馬場賢人(3年)はMARCH対抗戦4組に登場
上尾は比較的平坦で、高速コースと言われている。同時に立教大を始め各大学が、箱根駅伝のエントリーメンバーの最終選考の場として位置付けている。今年のレース当日は日差しが強く、気温が20度を超える厳しいコンディションになった。そのせいか立教大メンバーに62分台はゼロ、63分台も63分42秒の原田颯大(2年)のみ。ルーキーの鈴木愛音が64分20秒で悪くはないが、高林監督の想定通りにはいかず、厳しい結果になった。
「おいおいおいという感じですね」
レース後、高林監督の表情は、渋いままだった。
「うーん、目的達成とはいかず、おいおいおいという感じですね」
ややテンションが下がった声でそう言った。
「今回は、暑さがある中でもタイムが出るコースなので、63分を切る、あるいは63分台でいけると思っていました。でも、それぞれ1分近く、タイムが遅い。天候を加味すれば63分でいけるよって思うけど、そうじゃないんです。ここでちゃんと62分台、63分前半で走って初めて自信がついてくるんです。そうさせてあげたかったんですけど、うまくいかず……ポイント練習で離れて、ミスったなぁみたいな感じです」
4年・中西の悔しさ
このレースに賭けてきた中西洸貴(4年)も表情に悔しさを滲ませた。中西は関東インカレのハーフマラソンで64分58秒、12位とまずまずの結果を出し、秋の駅伝や箱根の予選会での活躍が期待されていた。しかしその後、シンスプリント(すねの痛み)で苦しみ、レースの1カ月半前にようやく復帰、調整してきた。だが、結果は64分03秒で63分台に届かなかった。
「自分は暑さが苦手なので、ちょっと弱気になってしまって。15キロを原田と一緒に通過したのですが、最後の5キロで20秒の差をつけられてしまい、悔しいですね。復帰してから練習で詰め切れていないので、その弱さが出てしまったのかなと……」