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熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
「ザイオン?知ってるよ。有望なGKだ」バルサ名手、ブラジルの“天才悪童FW”が慈善試合で…白髪だらけロマーリオ、エジムンドは審判に猛抗議
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byAGIF via AFP/JIJI PRESS
posted2024/12/01 11:00
ブラジルで開催されたバルサOBの慈善試合。そこで見聞きしたレジェンドの意外な姿と言葉とは
現在はテレビのコメンテーターで、歯に衣着せぬ物言いで人気がある。少々腹が出ているが、現役時代と同様、強烈なミドルを放つなど、闘志を剥き出しにしてプレーした。さらにエジムンドが放ったシュートがバルサ・レジェンズの選手の手に当たると……。
「ハンドだ、PKだ!」
と鬼の形相で主審に抗議する。こういうところは、昔と全く変わらない。
後半開始直後、ペレPPの左SBリシャルリソン(元サンパウロ)が左足アウトサイドでカーブをかけたミドルシュートを決め、現役選手顔負けのスーパーゴールも生まれた。
交代選手に制限なし、再出場という特別ルールの中、ロマーリオ、リバウドもピッチを去った。ロマーリオはダッシュする場面がほとんどなく、運動量も少ない。現役復帰から半年以上たってもまだピッチに立たない理由がわかった。
1−1の引き分けで終わるかと思われた後半41分、バルサ・レジェンズの元スペイン代表FWノリートとのパス交換からサビオラがゴール前左サイドへ抜け出し、鮮やかなループシュートを決めた。アディショナルタイムはなく、バルサ・レジェンズが2−1で勝利を収めた。
現役時代なら追いつけたはずのパスが…
この種の試合は当然ながら、公式戦のような緊張感はない。しかし、往年のスーパースターの「今」の姿が見られるし、現役時代を彷彿とさせる妙技を楽しめる。
皆、40歳以上で、50代の選手も多く、スピードと運動量はかつてとは比べ物にならない。現役時代であれば追いつけたはずのパスがタッチラインを割って、観衆がため息をついたシーンが何度もあった。しかし、マスターズの試合なのだから、これは仕方がないだろう。
初夏を迎えた日曜の夜、3万人近い観衆はこの試合を大いに楽しんでいた。
試合を終えて、僕は編集者に託された“仕事”に臨むことにした。そう、冒頭で取り上げた「日本フットボールへの印象」である。
〈つづく〉