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「怖く見えるけど、めっちゃ優しい」上田桃子が38歳でツアー活動休止…記者が明かす“負けず嫌いな上田”が泣いた日「声をかけづらい選手だったが…」 

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キム・ミョンウ

キム・ミョンウKim Myung Wook

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photograph byAtsushi Tomura/Getty Images

posted2024/11/25 17:00

「怖く見えるけど、めっちゃ優しい」上田桃子が38歳でツアー活動休止…記者が明かす“負けず嫌いな上田”が泣いた日「声をかけづらい選手だったが…」<Number Web> photograph by Atsushi Tomura/Getty Images

今季限りで第一線から退くことを表明した上田桃子(38歳)

 プロデビュー当時から勝気な性格なのは有名で、とにかく負けず嫌い。ゴルフをする上でのモチベーションについて聞いた時も、「ゴルフを始めたときは“反骨心”でやっていました」と正直に話していた。

 10歳から故・坂田信弘氏が主宰する坂田塾でゴルフを始め、高校卒業後はティーチングプロの江連忠氏の指導を受けた。2005年にプロテストに一発合格。2年後の2007年には、日本開催の米女子ツアー『ミズノクラシック』の優勝を含むシーズン通算5勝で初の賞金女王となった。当時、史上最年少となる21歳156日でのタイトル獲得だった。

 当時の女子ツアーには上田のほかにも、ツアー通算50勝の不動裕理をはじめ、横峯さくら、有村智恵、古閑美保、諸見里しのぶ、大山志保といった人気・実力を誇るライバルたちが多かった。現在の女子ツアーの雰囲気が“和気あいあい”とすれば、“殺伐”という表現が正しいだろうか。

「本当に周囲には“負けない”と意識している選手が多かった(笑)。でも、それがいい相乗効果を生んでいたと思います。それにできないことがあれば、とことん練習する選手が多かったです」

宮里藍を追うように米ツアー挑戦

 女子ゴルフ人気の火付け役となった宮里藍は、2005年の米女子ツアー予選会を首位で通過し、翌2006年から一足先に主戦場をアメリカに移した。その後を追うように上田も2008年から米ツアーに挑戦。しかし、現実はそう甘くはなかった。

 日米を行き来しながらツアーを並行していた影響もあり、アメリカ本土での試合では一度も勝てなかった。米ツアーメンバーとなっての優勝は、日本開催の2011年『ミズノクラシック』のみ。その後、2012年には日本ツアーの賞金ランキングを80位で終えてシードを喪失していたが、2013年の最終戦『大王製紙エリエールレディス』で3位に入り、大逆転でシード復帰を果たし、涙を流していたのを現場で見ていた。

 彼女の勝気なイメージが、少しずつ変化しているように感じたのはちょうどこの頃だった。

【次ページ】 「怖く見えるけど、めっちゃ優しいお姉さん」

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