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「優勝は嬉しい、演技は悔しい」前人未到のジュニア4連覇…島田麻央16歳が見据える“世界女王”坂本花織「シニアの試合になれば、私は挑戦者」
text by
野口美惠Yoshie Noguchi
photograph byAFLO
posted2024/11/23 17:01
フィギュアスケート全日本ジュニア選手権で史上初の4連覇を果たした島田麻央(16歳)
「6分練習が終わってから待っている間は、息がまともに出来ないくらい緊張しました。それでも、『とにかく思いっきり行こう』と思って行きました」
本番は、冒頭で高さのあるトリプルアクセルを決め、女王の意地を見せる。4回転トウループは転倒したものの、すぐに演技を続けて「3回転+3回転」の大技2つを降りた。後半の3連続ジャンプが2連続になるミスはあったが、圧巻といえる内容だった。
得点はフリー128.63点、総合201.32点での優勝。得点をみると何度もうなずき、ほっとした笑みを浮かべた。
「今回はショートもフリーもすごく緊張した試合になりました。優勝は嬉しいですが、演技は悔しいです。特に、4回転以外でもミスが出たところは、練習の成果が出せなかった部分なので、すごく悔しいです」
「でも」と言って続ける。
「この試合は通過点。悔しさがあると強い気持ちで頑張ることができます。今回悔しさを味わえて良かったと思えるように、まずはジュニアGPファイナル、そして全日本選手権で良い演技をしたいです」
「シニアの試合になれば、私は挑戦者」
現時点で、今季の世界最高点は坂本、2位は島田。全日本選手権では、世界トップ2の対決になることを聞かれると、強い眼差しで答える。
「私は今季、1試合だけ224点という点数が出せたので、まだマグレと言われてしまうかも知れません。私の点はマグレではないって証明するために、フリーの150点台をもう1回出したいと思います」
ジュニアでは追われる身。しかしシニアになれば、追う立場として挑むことができる。
「シニアの試合になれば、私は挑戦者です。全日本選手権はショートでもトリプルアクセルを入れられるので、どんどん難しいジャンプに挑戦して、素晴らしいお姉さんたちについていけたらいいな。順位は意識したくないのですが、去年、一昨年(の3位)より上を狙えたら。優勝したい思いはあります。このチャンスをものにしたいです」
島田がシニアに上がれるのはあと2シーズン先。だからといって進化を緩めるつもりはない。前人未到の道を突き進んでいく。