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「会社員として、魅力を発信していけたら」テレビ局に就職した元フィギュアスケーター・横井ゆは菜の現在「(選手時代は)今思えば青春だったな」

posted2024/11/20 06:00

 
「会社員として、魅力を発信していけたら」テレビ局に就職した元フィギュアスケーター・横井ゆは菜の現在「(選手時代は)今思えば青春だったな」<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

昨年4月にメ~テレ(名古屋テレビ放送)に入社した横井ゆは菜

text by

野口美惠

野口美惠Yoshie Noguchi

PROFILE

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Kiichi Matsumoto

 フィギュアスケーターからテレビ局員へ。'22-'23シーズンで引退した横井ゆは菜(24)が、新たな立場からフィギュアスケートの魅力を伝えることに挑戦している。今年10月には、自身が企画・出演した番組『フィギュアの謎100Q~ニューヨークVS元日本代表~』が放送され、話題を呼んだ。現役時代はエンターテイナーとして人気のあった横井が、会社員の道を選んだのはなぜか。

「大学3年で将来のことを考えた時に、アイスショーや国際大会など様々な経験をさせていただいたからこそ、スケート以外の世界に触れることがこの先の人生のプラスになるかなと思い、就職活動を考えました」

 昨年4月に、地元愛知県のメ~テレ(名古屋テレビ放送)に入社。イベントコンテンツ部に配属された。

「あえて『初めてのことのほうが新鮮で面白いだろう』と思い、スポーツ報道は志望しませんでした。メインの仕事はイベントのチケット管理です。入社後しばらくはやれることが少なくて『私はここにいて良いのかな』と思う日々でした」

 社会人1年目として奮闘する毎日。スケートへの熱い思いが蘇ったのは、むしろ部署や先輩に恵まれ、生活が安定していたからこそだった。

「社会人としての生活は、激しい感情の起伏はない安定した日々です。でも選手の頃は、悔しくなったり、技ができなくて泣いたりしていた。あんな感情の高ぶりが、今思えば青春だったな、と。だからこそ『私はスケートが好きなんだ』と改めて気づいてしまったのです」

「半分ノリで『出演者:横井ゆは菜』と書いて…」

 仕事に慣れるほど、スケートへの気持ちが高まっていった昨年11月、社内から自由に企画を出すことができる提案制度が発表された。

「半分ノリで『出演者:横井ゆは菜』と書いて『私がフィギュアスケートの魅力を伝えるから、みなさん見てください!』という感じで、プレゼンをしました」

 その熱意が力となり、今年4月、社内の最終審査を通過した。

「私自身には番組を作るノウハウがないので、先輩方が協力してくださり、外部の制作会社も入って、企画会議を繰り返しながら番組が出来ていきました」

 フィギュアスケートをバラエティ仕立てで伝えていくという新たな試み。自身の熱意もしっかりと伝えた。

「より多くの人に伝えるには、広く浅くという番組になる。でも魅力を深掘りしたい気持ちもある。結果的に、クイズ形式という構成で楽しい番組にしていくことになりました」

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